自宅療養者に「アビガン」不適切処方 千葉 いすみの公立病院

千葉県いすみ市にある公立病院の「いすみ医療センター」でことし夏、新型コロナウイルスの自宅療養者90人余りに、治療薬として承認審査が続いている「アビガン」が不適切に処方されていたことが分かりました。
これまでに健康被害の報告はないということで、県が事実関係を調べています。

千葉県によりますと、いすみ市などが設立した「いすみ医療センター」でことし8月から9月にかけて新型コロナの自宅療養者90人余りに、この病院の男性医師が「アビガン」を処方したということです。

アビガンは国内では臨床研究の形で新型コロナの患者に投与されていますが、現在も治療薬としては承認審査が続いていて、厚生労働省は確実な服薬管理ができることが投薬の要件として「自宅療養での投薬はできない」という通知を出していました。

県によりますと、これまでに健康被害の報告はないということで県は事実関係を詳しく調べています。

男性医師が自宅療養者に「アビガン」を処方したことについて「いすみ医療センター」は「感染者が多かったときの緊急的な対応として処方したと理解している。アビガンは基本的には入院患者に出されるべきという認識はあった。詳しいことはあすの会見で説明したい」としています。