水際対策 帰国の日本人に「停留」の措置 成田空港では

新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が各国で広がる中、水際対策として、海外から帰国する日本人などに、入国後、指定する宿泊施設にとどまってもらう「停留」の措置がとられています。
成田空港周辺の施設で停留を続ける帰国者からは、水際対策の強化に理解を示す一方で、対応の長期化を懸念する声が聞かれました。

政府は水際対策として、すべての国と地域からの外国人の新規の入国を原則停止するとともに、オミクロン株の感染が確認されるなどした60の国や地域から帰国する日本人や、在留資格を持つ外国人には、帰国時の検査が陰性であっても、入国後3日間から10日間、検疫所が指定する宿泊施設にとどまってもらう「停留」の措置をとっています。

成田空港の検疫所は、周辺のホテルなど4か所を確保していて、帰国者などには専用のバスで空港からホテルまで移動してもらっています。

年末年始を家族と過ごすためイギリスから帰国した大学生の20歳の女性は、指定されたホテルで6日間の停留を続けています。

帰国時の検査で陰性が確認され、検疫所から停留期間中の過ごし方が記されたしおりを受け取っていました。

女性はシングルルームで過ごしていて、1日3回、部屋のドアノブにかけられる弁当を食べたり、テレビを見たりしていて、外出は一切できないということです。

毎日、体温などの健康状態や位置情報をスマートフォンのアプリで報告が義務づけられています。

女性は「変異株が出てきたのでしかたがないと思いますが、一切外出ができず、部屋も狭いので、つらく感じる人もいると思います」と話していました。

一方、ドイツから帰国した29歳の男性は、検査で陰性が確認されましたが、6日間の停留を続けています。

男性は「春に祖母が亡くなりましたが、そのときは2週間の待機期間があったので帰国を見送りました。今回は母親が体調を崩して入院し、手術することになったので、帰国しました。早く母に会いたいですが、停留などで合わせて14日間待機しなければならないのは少し厳しいのではと思います。オミクロン株がどういう脅威があるのか、政府はもう少し見極める時間があってもよかったのではと思います」と話していました。