「ワクチンパスポート」で特典 試験的事業始まる 札幌など

スマホのアプリを使って、飲食店などでワクチンの接種証明を示すと割り引きなどの特典を受けられる「ワクチンパスポート」の試験的な事業が、札幌市などで始まりました。

ワクチンの接種証明をスマホで簡単に示せるようにすることで、感染が再び拡大しても経済活動を維持できるようにしようと、札幌市は大手印刷会社「凸版印刷」が開発したアプリを導入し、試験的な事業を始めました。

2回のワクチン接種を終えた人が飲食店などでアプリを使って接種証明を示すと、割り引きなどの特典を受けることができます。

対象は札幌市のほか周辺の11の市町村で、事業に参加する飲食店や美容室などで使うことができます。

利用には数日前までにスマホでの登録が必要で、登録を済ませていれば観光客なども利用することができます。

市は来年3月いっぱいまで行って課題などを検証したうえで、本格的な実施を検討することにしています。

市デジタル企画課の担当者は「感染対策に気をつけながら、少しずつ元の生活を取り戻していくきっかけにしたい」と話しています。

居酒屋でドリンク1杯が無料になるサービスも

札幌市で試験的に始まった「ワクチンパスポート」のアプリを利用するには、まず、専用サイトにアクセスして、名前や生年月日、2回目の接種日などを入力する必要があります。

そして運転免許証などの本人確認書類と「接種済証」など接種が確認できる書類をスマートフォンで撮影して登録すると、数日後に認証され登録が完了します。

完了後は、事業に参加する飲食店で、掲示してある専用のQRコードを読み取って画面を示せば、割り引きなどの特典を受けることができます。

事業に参加している札幌市西区の居酒屋「そらまめ」では、早速、登録を済ませた利用者にドリンク1杯が無料になるサービスを始めました。

居酒屋を経営する松原隆史さんは「安心、安全な環境で食事を楽しんでもらえると思う。まだ忘年会の予約は全くない状況だが、アプリをきっかけに客足が戻ってきてほしい」と話していました。