ペットの犬や猫にマイクロチップ装着義務化へ 概要が明らかに

犬や猫が捨てられたときなどに飼い主が分かるようマイクロチップの装着を販売業者に義務づける法律が来年6月に施行されるのを前に、環境省はマイクロチップに登録する情報の詳細や手続きの進め方などの概要をまとめました。

環境省によりますと、迷子や飼育放棄などで自治体に引き取られる犬と猫は、令和元年度には8万5000匹余りに上るなどしていて、対応が課題となっています。

こうした中、飼い主がすぐに分かるよう、犬や猫にマイクロチップの装着を義務づける改正動物愛護管理法が来年6月に施行されることになっていて、これを前に環境省は3日、動物の専門家などで作る審議会に概要を示しました。

それによりますと、繁殖を行うブリーダーやペットショップなどの業者には、販売用の犬や猫にマイクロチップを装着し、犬や猫の名前や性別、品種、毛の色のほか、業者名を国のデータベースに登録することが義務づけられます。

また、犬や猫を購入する際、飼い主も氏名や住所、電話番号などを30日以内に登録することが義務づけられます。

すでに飼っている人や譲り受ける人、保護団体などは装着は努力義務となっています。

会議では、動物への健康上の影響に対する不安の声が上がったほか「飼い主の連絡先が変わるたびに登録を変更するのは煩雑ではないか」といった指摘が出されていました。

環境省は、こうした指摘について検討を進めるほか、一般の意見も聞いて正式に決定し、来年6月の義務化に向けて業者や飼い主への周知を進めることにしています。

マイクロチップで「識別番号」表示

環境省によりますと、マイクロチップは直径2ミリ、長さ1センチほどの円筒形の電子器具で、獣医師が犬や猫の首から肩甲骨のあたりに注射器を使って装着します。

マイクロチップには固有の15桁の識別番号が割りふられていて、専用の読み取り機を犬や猫の体にかざすと、識別番号が表示されます。

識別番号は、飼い主の氏名や住所などの情報とともに国のデータベースに登録され、番号から飼い主をたどれる仕組みになっています。

GPS機能はついていないので、居場所を把握することはできません。

日本では平成7年の阪神・淡路大震災のあと、多くの犬や猫が迷子になったことをきっかけに導入をめぐる議論が始まり、おととし、動物愛護管理法の一部を改正する法律が成立しました。

国は、マイクロチップを取り付けることで、迷子になった際や災害で離れてしまった際に飼い主を見つけやすいことや、安易な遺棄の防止が期待できるとしています。

今回の法律の施行前からマイクロチップの導入は広がっていて、現在は日本獣医師会や動物の団体がそれぞれデータベースを作っています。

最も利用者の多い日本獣医師会のデータベースには、マイクロチップを装着したおよそ273万匹の犬と猫の情報が登録されているということです。

一方、ペット保険などを取り扱う保険会社「SBIいきいき少額短期保険」が、おととし、犬や猫を飼育する200人を対象に行ったアンケートでは、全体の69.5%がマイクロチップの装着の義務化に「賛成」または「どちらかというと賛成」と回答した一方、30.5%は、「反対」または「どちらかというと反対」と回答し、その理由は「かわいそう」とか「装着後のペットの状態が心配」などでした。

反対意見もある中、来年6月の義務化に向けていかに周知を進め理解を得ることができるかも課題となっています。