北京五輪まで2か月 スケジュール見通せず 選手は調整苦慮

来年2月の北京オリンピック開幕まで4日で2か月です。
代表選考が進む中、選手たちはここから大会本番を見据えた調整に入りますが、新型コロナウイルスの新たな変異ウイルスに対する水際対策の強化などにより、今後のスケジュールが見通せない状況となっています。

来年2月4日に開幕する北京オリンピックは、夏と同じ開催地で開かれる初めてのオリンピックとして17日間の日程で開かれます。

開幕まで4日で2か月となり、各競技の選手たちはオリンピック代表の選考に関わる大会に出場しながら、オリンピック本番に向けた調整を続けています。

しかし、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、先月にはスピードスケートのワールドカップに出場するためヨーロッパで合宿をしていた日本選手4人が新型コロナに感染したほか、スキージャンプ男子のエース、小林陵侑選手がワールドカップ第3戦で優勝したあとに検査で陽性となり2大会に出場できませんでした。

さらに、南アフリカで確認された新たな変異ウイルス「オミクロン株」の影響で、今月2日には日本の水際対策が強化されたことを受けて、大阪府門真市で予定されていたフィギュアスケートのグランプリファイナルが中止となりました。

オリンピック前の海外勢の仕上がりを確認する貴重な機会で、日本の代表選考にも関わる大会が開催直前に中止となり関係者の間では戸惑いが広がりました。

また、海外を転戦する選手たちや練習拠点を海外に置く選手たちは、年末にかけて国内で行われる大会に出場するため帰国する予定でしたが、水際対策の強化によって14日間の自主隔離期間中に練習などが可能となる特例措置を受けられるかどうかは不透明なままです。

新型コロナに対する競技団体や選手の対応について、JOC=日本オリンピック委員会の山下会長は先月の定例の記者会見で「報道以上の情報を持ち合わせていない」などと回答しました。

今後、JOCには北京オリンピック開幕まで2か月というタイミングで選手に生じた不安を払拭(ふっしょく)するために、この夏の東京オリンピック・パラリンピックで得た知見を生かし各競技団体と連携して選手強化や代表選考に影響が出ないようスポーツ庁などの関係機関に積極的に働きかけていくことが求められます。

大会組織委員会 感染対策強化へ

北京オリンピックは、中国で開かれる初めての冬のオリンピックで、首都 北京と、隣接する河北省の張家口で、来年2月4日から17日間にわたって開かれます。

大会の組織委員会は運営の課題を検証するため、10月以降、本番と同じ会場でテスト大会を行ってきましたが、張家口では3日から最後となるスキーのジャンプとノルディック複合の大会が始まりました。

一連のテスト大会では、新型コロナの感染拡大を防ぐため、選手や競技スタッフなどを外部と遮断する、いわゆる「バブル方式」の感染対策がとられ、組織委員会は「大会関係者や市民の安全を保証でき、国内外から評価されている」と手応えを示しています。

ただ先月には、北京で行われたリュージュのテスト大会に出場するため中国を訪れた選手3人から検査で陽性反応が出たほか、オミクロン株の感染が世界的に広がっていることから、組織委員会は海外からウイルスが入り込むのを防ぐため、2か月後に迫った本番に向け対策を一層強化する構えです。

北京では厳重な感染対策

中国は、新型コロナウイルスの感染を徹底して封じ込める「ゼロコロナ政策」を続けていて、来年2月にオリンピック開催を控えた北京では、とりわけ厳重な感染対策がとられています。

北京市の当局は先月中旬、中国各地から市内に入るすべての人を対象に、48時間以内に受けたPCR検査の陰性証明の提示を義務づけました。

過去2週間以内に市中感染が確認された地域から北京に入るのを厳しく制限する措置も継続しています。

こうした中、オリンピックの開会式が行われる国家スタジアム、通称「鳥の巣」の周辺の区域は、パラリンピック閉幕後の来年3月20日まで、およそ4か月にわたって封鎖されることになり、関係者以外の立ち入りが禁止されました。

さらに北京中心部の天安門広場では、今月15日から入場する際にスマートフォンのアプリなどで事前に予約することが必要となります。

地元当局は、多くの観光客が集中し、感染のリスクが高まるのを防ぐためだとしています。

中国では、今週に入ってから内モンゴル自治区での感染確認が200人を超えるなど、局地的な感染の広がりが収束しておらず、当局は神経をとがらせています。

中国政府 「オミクロン株」に警戒強める

中国政府は、香港を除いて、これまでに新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染は国内で確認されていないとしていますが、来年2月の北京オリンピック開催を控え、感染拡大に警戒を強めています。

中国外務省の趙立堅報道官は、先月30日の記者会見で、オミクロン株は「感染対策にとって間違いなく挑戦となるだろう」と警戒感を示しました。

中国は、感染を徹底して封じ込める「ゼロコロナ政策」を続けていて、保健当局も、これまでの対策はオミクロン株にも有効だとして、引き続き厳しい水際対策などに力を入れるとしています。

また、国営メディアは、保健当局の話として、中国で開発された新型コロナウイルスのワクチンは、オミクロン株にも有効だと伝えています。

ただ、国内の製薬会社が、オミクロン株に対応する新たなワクチンの開発も進めているとしていて、今後、感染が拡大しないよう、神経をとがらせている様子がうかがえます。

「外交的ボイコット」に神経とがらせる中国政府

北京オリンピックをめぐっては、アメリカなどが「外交的ボイコット」を検討しているのに加えて、中国の女子プロテニス選手をめぐる問題が、大会の開催に影響を与えかねない事態となっていて、中国政府は神経をとがらせています。

このうち「外交的ボイコット」をめぐっては、アメリカのバイデン大統領が、先月、中国の新疆ウイグル自治区での人権問題などを理由に、政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を検討していると明らかにしたほか、イギリス政府も検討していると伝えられています。
これに加えて、先月には、中国の女子プロテニスの彭帥選手が、共産党最高指導部のメンバーだった張高麗前副首相から性的関係を迫られたことなどを告白したあと、行方が分からなくなったと伝えられました。

世界のトッププレーヤーなどから彭選手の安否を懸念する声が相次ぐ中、IOC=国際オリンピック委員会の最古参の幹部も、オリンピックに影響を及ぼしかねない問題だという認識を示すなど、大会の開催に影響を与えかねない事態となっています。

こうした動きに、中国外務省は「スポーツを政治問題化することには、一貫して断固反対だ」と反発していて、神経をとがらせています。

中国外務省は、王毅外相が、スイスやイラン、それにアフリカ諸国の外相などとの会談で、大会開催への支持を取り付けたとしているほか、ロシアのプーチン大統領が、開会式に出席する方向で具体的な調整を進めていることを明らかにするなど「外交的ボイコット」の動きが広がらないよう、けん制しています。