オミクロン株 南ア医師“デルタ株と症状異なり 呼吸困難ない”

新型コロナの新たな変異ウイルスオミクロン株の存在を最初に発表した南アフリカでは、感染が急速に拡大しています。

NHKの取材に応じた地元の医師は、オミクロン株とみられる感染者はデルタ株とみられる感染者と多くが症状が異なり、呼吸困難に陥っていない、などと証言しました。

南アフリカでは、2日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者が1万1535人とこの2週間ほどで30倍以上に増えています。

NHKの取材に応じた首都プレトリア近郊の医師、モゼセ・ポアーネさんは保健当局によるウイルスのサンプル調査で、ことし9月には全体の91%がデルタ株だったのに対し、先月には74%がオミクロン株だったことから、ことし9月以前に診察した患者はデルタ株に感染し、この1週間余りで診察した7人の患者はオミクロン株に感染していたとみています。

ポアーネさんは以前のデルタ株とみられる感染者と最近のオミクロン株とみられる感染者は多くが症状が異なると指摘し「冬の間やことしの始めごろ、患者は頭痛、めまい、食欲の減退、体力の低下、せきなどを訴えていたが、せきは肺の奥深くからだった。だから多くが酸素が必要で、入院治療が必要だった。私が今、目にしている傾向は、のどにとどまっているせきで、入院治療の必要がない」と証言しました。

また、ポアーネさんは「先週、診察した感染者のうち、何人かはワクチンを接種済みだった」と述べ、オミクロン株でいわゆるブレイクスルー感染が起きた可能性があるとしています。

一方でその感染者たちの症状は軽いと述べ、オミクロン株に感染してもワクチンが重症化を防いでいるのではないかとの見方を示しました。

オミクロン株の感染力やワクチンの効果に及ぼす影響などはまだ分かっておらず、世界各国の科学者が調査を進めています。