小池知事“オミクロン株 初動対応が極めて重要 防止対策を”

新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」への対応について、東京都の小池知事は記者会見で「感染拡大への懸念があるなか、初動の対応は極めて重要だ」と述べ、濃厚接触者の検査や健康観察などに万全を期すほか、都民に対して、手洗いやマスクの着用といった基本的な対策の徹底を改めて呼びかけました。

この中で、小池知事は「感染拡大への懸念があるなか、初動の対応は極めて重要で、総力を挙げて、先手先手で対策を講じていく」と述べ、これまでに「オミクロン株」の感染が確認された人の濃厚接触者に対する検査や、健康観察などに万全を期す考えを示しました。

そのうえで「ひとり一人が基本的な感染防止対策を実行することが重要だ」と述べ、都民に対して手洗いやマスクの着用、それに換気といった基本的な対策を徹底するよう改めて呼びかけました。

一方、都が12月から、飲食店に協力を求めている利用人数を、1グループあたり8人までに緩和した対応について「オミクロン株」の感染確認を受けて変更するのか問われたのに対して、小池知事は「アクリル板の設置や消毒、換気を守っていただいている認証店での措置で、改めて対策を守っていただく」と述べ、現時点では8人までの対応を継続する考えを示しました。

3回目のワクチン接種 急きょ早める病院も

新たな変異ウイルス「オミクロン株」への感染が国内でも確認され、新型コロナ患者の治療を行う都内の大学病院は急きょ、当初の予定を早め、医師や看護師などの3回目のワクチン接種を3日から始めました。

東京 文京区にある東京医科歯科大学病院は、第5波で多くの重症患者の治療にあたってきました。

感染者数が減少している今は入院患者はいませんが、南アフリカで最初に見つかった変異ウイルス「オミクロン株」への感染が国内でも確認されたことから、病院は今月20日から予定していた医師や看護師の3回目のワクチン接種の予定を急きょ早め、3日から接種を始めました。

3日は、救急救命やPCR検査を担当する医師や看護師など、合わせておよそ60人が、大学の講堂に設けられた接種会場を訪れ、3回目のワクチンを接種していました。

病院は、接種を今月24日までに終わらせる予定にしています。

接種を受けた呼吸器内科の医師は「諸外国では3回目接種が始まっていて、早く打てたのはよかったと思います」と話していました。

東京医科歯科大学病院の若林健二病院長補佐は「オミクロン株については、まだ分からないことも多いですが、予測はできなくても備えることはできるのでしっかりと備えを進めていきたい」と話していました。

特別区長会会長 ワクチン3回目接種の間隔短縮に懸念

新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種の2回目との間隔を短縮すべきだという声が出ていることについて、東京の特別区長会の会長を務める江東区の山崎孝明区長が緊急の記者会見を開きました。

この中で「ワクチンの安定供給を考えると非常に難しい。大変な混乱となる」と述べ、接種の間隔の短縮に懸念を示しました。

新型コロナの3回目のワクチン接種について国は、2回目との間隔を原則8か月以上としています。

こうした中、日本医師会や全国知事会が「オミクロン株」の感染拡大が懸念されるなどとして、2日、接種の前倒しを働きかけることを確認するなど6か月に前倒すことを求める声もあがっています。

こうした中、東京の23区でつくる特別区長会の会長を務める江東区の山崎孝明区長は、緊急の記者会見を開きました。

この中で山崎区長は、特別区長会の見解として「接種間隔を短くしろという人もいるが、ワクチンの安定供給を考えると非常に難しい。今はワクチンの供給が不安定な状況なので、接種を始めたところでワクチンが供給されないとなると大変な混乱となる。国にも理解してもらいたい」と述べ、接種の間隔の短縮に懸念を示しました。

さらに、接種の時期を自治体に委ねる対応をした場合は「自治体の競争をあおることになる」としたうえで「できるだけ早く接種したいという思いで動いているが、8か月後の接種に向けて準備を必死で進めていてそれを前倒しでやるのは難しい。国はぜひ現場の声を聞いてほしい」と実情を訴えました。