コロナ感染者数の1週間平均 去年夏以降最少水準でほぼ横ばい

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国の感染者数は去年の夏以降で、最も少ない水準でほぼ横ばいの状況となっています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、ことし8月末から新規感染者数が減少し
▽先月4日までの1週間は前の週に比べて0.80倍
▽先月11日は0.89倍
▽先月18日は0.84倍
▽先月25日は0.67倍と13週連続で減少していましたが
▽2日まででは0.99倍とほぼ横ばいになっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ103人と去年の夏以降で最も少ない水準となっています。

また、地域別では、32の都道府県で新規感染者数が「1」を下回り減少傾向となっています。

1都3県

東京都は、先月初めまで11週連続で減少傾向が続いたあと一時、増加傾向になりましたが
▽先月18日までの1週間は前の週に比べて0.77倍
▽先月25日は0.78倍と再び減少傾向となり
▽2日まででは0.98倍とほぼ横ばいになっています。

1日当たりの新規感染者数は15人、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は0.75人となっています。

神奈川県は
▽先月18日までの1週間は前の週に比べて1.37倍と2週連続で増加傾向になっていましたが、その後は
▽先月25日が0.79倍
▽2日まででは0.82倍と再び減少傾向となっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ10人となっています。

埼玉県は
▽先月18日までの1週間は前の週に比べて1.13倍
▽先月25日は0.65倍
▽2日まででは1.20倍と「1」付近で増減しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ8人と低い水準になっています。

千葉県は
▽先月18日までの1週間は前の週の1.02倍
▽先月25日は0.46倍
▽2日まででは1.32倍と「1」付近で推移していて1日当たりの新規感染者数はおよそ4人と低い水準になっています。

沖縄県・北海道

沖縄県は
▽先月18日までの1週間は前の週の0.22倍と13週連続で減少傾向が続いていましたが
▽先月25日は1.13倍
▽2日まででは1.44倍と増加傾向となっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ2人と、低い水準で推移しています。

北海道は
▽先月18日までの1週間は前の週の2.08倍と増加傾向でしたが、その後
▽先月25日は0.65倍
▽2日まででは0.61倍と減少傾向が続いていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ8人となっています。

関西

大阪府は
▽先月18日までの1週間は前の週の0.58倍
▽先月25日は0.72倍と12週連続で減少傾向が続き
▽2日まででは0.98倍とほぼ横ばいになっています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ14人となっています。

京都府は
▽先月18日までの1週間は前の週の1.11倍となっていましたが
▽先月25日は0.44倍
▽2日まででは0.29倍と減少傾向が続いています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ1人となっています。

兵庫県は
▽先月18日までの1週間は前の週の0.66倍
▽先月25日は0.57倍
▽2日まででは0.93倍と14週連続で減少傾向で、1日当たりの新規感染者数は4人となっています。

中部

愛知県は
▽先月18日までの1週間は前の週の0.97倍
▽先月25日は0.64倍
▽2日まででは1.00倍と横ばいになっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ6人となっています。

岐阜県は
▽先月18日までの1週間は前の週の0.21倍
▽先月25日は0.58倍と減少していましたが
▽2日まででは2.14倍と増加傾向となりました。

1日当たりの新規感染者数はおよそ2人と低い水準となっています。

専門家「低い状態が維持も基本的対策徹底を」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について「緊急事態宣言の解除から2か月間、低い状態が維持できていて、ここまで非常にうまく感染者数を抑え込めている。いかにこの状態を長く続け、第6波を起こさないように低く維持できるかが大事だ。12月になって忘年会や新年会、クリスマスなど人の動きが盛んになるので、ここで緩んでしまうと再増加の兆候が強まってしまう。特にオミクロン株が世界中で報告されており、日本でも検疫で2例、確認されているが、すでに国内に入り込んでいることも考えながら対策を取ることが重要になる」と話しています。

オミクロン株の性質については「感染性に関してはかなり高いことが推定されているが、重症化しやすいかどうかは、はっきりと結論が得られていない。まだオミクロン株で重症化したという報告はほとんどないが、高齢者や免疫不全の人などがどれだけ重症化するのか注意して見ていく必要がある。ワクチンの効果については、弱まったとしても全く効果が無くなるとは考えにくいのではないか」と話していました。

今後の対策として「しばらくは強い水際対策を続けながら、慎重に持ち込みを防ぎつつ、国内の検査態勢を作り上げていくことが必要だ。すでにオミクロン株が入ってきている可能性を考えながら、一人ひとりが基本的な対策を徹底する意識を持つことが重要だ。オミクロン株も基本的にはこれまでと同じ新型コロナの中のウイルスなので、パニックになる必要は無く、感染対策を徹底することで抑え込むことができる。これまでの経験を元に正しく恐れるということが非常に大事になってくる」と話しています。