オミクロン株への対応“ワクチン研究開発に支援”松野官房長官

新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」への対応で、松野官房長官は関係閣僚会議で、ウイルスの特性を踏まえて、必要に応じてワクチンの研究開発などを支援していく考えを示しました。

国内でのワクチン開発や生産体制の強化などを検討する関係閣僚会議は総理大臣官邸で開かれました。

松野官房長官は「『ウィズコロナ』のもとでの社会経済活動の再開と、次なる危機に備えるため、感染症有事への対応の抜本的な強化が不可欠だ。より強力な変異株や今後脅威となりうる感染症にも対応できるよう国産ワクチンの研究開発体制と生産体制を強化する必要がある」と述べました。

そのうえで「オミクロン株」への対応について、ウイルスの特性に関する知見を踏まえ、必要に応じてワクチンの研究開発などを支援していく考えを示しました。

そして、松野官房長官は「感染症の脅威は衰えていない」として、強い危機感をもって一丸となって対応するよう指示しました。

「2例以外にオミクロン株は検出されていない」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で、日本国内で「オミクロン株」への感染が確認された2人の濃厚接触者のうち、現時点で3人が発熱などの症状が出ているものの、いずれも検査の結果で陰性が判明したことを明らかにし「その他の方で体調が悪化したとの報告は受けていない」と述べました。

また、松野官房長官はオミクロン株のゲノム解析を始めた時期を問われたのに対し「空港検疫で新型コロナの陽性が判明した検体すべてについて、国立感染症研究所でゲノム解析を行っており、先月30日、国内で初めてのオミクロン株が確認された」と述べました。

そのうえで「過去のすべての検体も改めて国立感染症研究所で確認した結果、これまで公表している2例以外にオミクロン株は検出されていない」と述べました。

水際対策強化 影響受けるスポーツ関係者などへの対応検討

末松文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、政府の水際対策が強化されたことを受けて、省内にタスクフォースを設置し、影響を受けるスポーツや文化の関係者などへの対応を検討する考えを示しました。

一方、今月9日から大阪府で開催される予定だったフィギュアスケートの国際大会、グランプリファイナルが中止されたことについて「北京オリンピックの選考に、どなたが参加できず、出場権を得られないのか十分に把握できていない。日本スケート連盟から慎重に事情を聴取しながら、できるだけの善処をしたい」と述べました。