大リーグ「ロックアウト」状態へ 新労使協定合意できず

大リーグ機構と選手会の新しい労使協定が、今月1日の期限までに合意に至りませんでした。これにより、アメリカのメディアは労使に関わるすべての活動が止まると伝えていて、来シーズンに向けた契約の交渉をしている日本選手への影響も懸念されます。

交渉決裂は1995年以来

大リーグ機構と選手会は、5年ぶりとなる労使協定の改定に向けて交渉を続けていましたが、大リーグ機構の関係者によりますと、期限となるアメリカ東部時間の今月1日午後11時59分までに新たな協定に合意できず、現在の労使協定が失効したということです。

これにより、アメリカのメディアは、労使に関わるすべての活動が止まる「ロックアウト」と呼ばれる状態に入ると伝えていて、大リーグ契約を結んでいる選手は球団施設を利用できなくなるほか、来シーズンに向けたすべての契約交渉が中断します。

プロ野球 広島からポスティングシステムを使った大リーグ移籍を目指している鈴木誠也選手や、マリナーズからFA=フリーエージェントとなっている菊池雄星投手の契約交渉も中断することになり、ロックアウトが明けるまで来シーズンの所属球団が決まらない状態となります。

また、労使協定には選手の肖像権の扱いも含まれているため、失効後は大リーグの公式ホームページでは選手の写真が閲覧できなくなっています。

大リーグで労使間の交渉が決裂するのは、選手会のストライキでシーズンが中断した1994年と、その影響で開幕が遅れた1995年以来となります。

アメリカのメディアは、今回の労使交渉では年俸総額が高い球団が大リーグ機構に支払う「ぜいたく税」の基準を引き下げるかどうかや、FA権の取得条件などをめぐって労使間で意見の隔たりが大きいと伝えていて、早期に合意できるかは不透明な状況です。

鈴木誠也「焦りもないし できることをやっていくだけ」

大リーグ機構と選手会の労使協定が失効し、来シーズンに向けたすべての契約交渉が中断すると伝えられたことについて、プロ野球 カープからポスティングシステムを使った大リーグ移籍を目指している鈴木誠也選手は「分かっていたことだし、移籍は慌てて決められるものではないので、代理人と話しながら、どういうふうにやっていくか考えていた。特に焦りもないし、自分のできることをやっていくだけです。大リーグの球団からたくさん評価していただいているのは伝わっていて、すごくありがたい」と落ち着いた様子で話していました。

失効前に大型契約相次ぐ

大リーグでは11月末から労使の交渉決裂を見越して、各球団とFA=フリーエージェントの選手が労使協定の期限を前に大型契約を結ぶ動きが相次いでいました。

アメリカンリーグ西部地区で最下位だったレンジャーズは、ドジャースの内野の主力だったコーリー・シーガー選手や、今シーズン、ブルージェイズでホームラン45本を打ったシミエン選手などを11月末までに相次いで補強し、アメリカのメディアはここまでの契約総額が630億円余りにのぼったと伝えています。

また、投資家のオーナーが豊富な資金力を持つメッツもドジャースからFAになっていたシャーザー投手などと契約を結び、ここまでの契約総額はおよそ290億円と伝えられています。

期限当日となった1日も各チームで補強の動きが相次ぎ、大谷翔平選手が所属するエンジェルスは今シーズン34セーブをあげたイグレシアス投手と総額およそ65億円で新たに4年契約を結びました。

ここ数年は動き始めるのが遅かった大リーグのFA市場が、ことしは異例の早さで大型契約が相次いでいて、労使協定の交渉が決裂することを見越した動きと見られています。