特定地域渡航制限は“トラベル・アパルトヘイト”国連事務総長

新型コロナの変異ウイルス、オミクロン株をめぐり、国連のグテーレス事務総長は、世界各国でオミクロン株が確認されている中で、アフリカ南部など特定の地域に渡航制限を設けるのは不公平だと指摘し、渡航者へのPCR検査の徹底など、より効果的な措置をとるべきだと国際社会に呼びかけました。

オミクロン株が、11月に南アフリカで最初に確認されたあと、国際社会ではアフリカ南部からの渡航を制限する国が相次いでいます。

これについて、国連のグテーレス事務総長は1日、ニューヨークの国連本部で開いた記者会見で「極めて不公平な措置だ。懲罰的なうえ、効果的とは言えない」と述べ、世界各国でオミクロン株が確認されている中、特定の地域に渡航制限を設けるのは適切ではないと指摘しました。

グテーレス事務総長は、特定の地域に渡航制限を設ける措置を、かつて南アフリカにあった人種隔離政策になぞらえ「トラベル・アパルトヘイトは受け入れられない」と述べ、渡航者へのPCR検査の徹底など、より効果的な措置をとるべきだと国際社会に呼びかけました。

そのうえで、ワクチンの接種率が低い地域は変異ウイルスの温床になるおそれがあると改めて警告し、途上国へのワクチン供給を急ぐよう訴えました。