産油国が来月の原油生産量を協議へ オミクロン株の影響は

サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構とロシアなどの産油国は、2日に会合を開いて、来月・1月の原油生産量を協議します。

新たな変異ウイルスの広がりが需要にどう影響するか意見を交わすことにしていて、生産を増やすとしている従来の計画を見直すかが焦点です。

サウジアラビアなどでつくるOPECとロシアなどの主な産油国は、2日、オンラインで閣僚会合を開いて、来月の原油の生産量を決めることにしています。

産油国は新型コロナウイルスの感染拡大で去年、大幅に減らした生産量を月ごとに日量40万バレルずつ増やす計画を進めています。

ただ、原油価格が一時、7年ぶりの高値をつけたあとの先月にはアメリカと日本などが協調して石油の備蓄を放出すると発表し、供給量が増える見通しになっています。

さらに新たな変異ウイルス、オミクロン株が確認されると、経済活動が制限されることへの懸念から原油価格は大幅に下落しました。

会合に先立ってアルジェリアのエネルギー相は「入国制限などによって原油市場が影響を受けるおそれがある」と述べて新たな変異ウイルスによって需要が落ち込むことに懸念を示したほか、1日にOPEC加盟国だけで集まった場でも議長国から警戒を呼びかける発言がありました。

産油国は2日の協議で、新たな変異ウイルスの広がりが需要にどう影響するか意見を交わすことにしていて、来月の生産量を増やすとしている従来の計画を見直すかが焦点になります。

原油価格 高騰のあと下落に転じる

原油価格は経済活動の再開による需要の高まりを受けてことしに入って一段と上昇しました。

原油価格の国際的な指標となっているWTIの先物価格はことし10月、1バレル=85ドル41セントと、2014年10月以来およそ7年ぶりとなる高値をつけ、日本国内のガソリン価格や灯油の店頭価格の値上がりにつながりました。

しかし先月、アメリカや日本などが協調して石油の備蓄を放出することを決め、これにともなって原油価格は下落に転じます。

さらに新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染が各国で確認されるとさらに下落しました。

経済活動が制限され原油の需要が落ち込むことへの懸念が強まったためで、先月30日には一時、1バレル=64ドル台をつけ、去年に比べれば高値の水準にあるとはいえ、10月のピーク時に比べると20%以上下落しています。