コロナワクチン3回目の接種 きょうから医療従事者対象に開始

新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種が、12月1日から医療従事者を対象に全国で始まりました。

このうち、東京 目黒区の東京医療センターでは、午前9時前に接種会場が設けられ、医師と看護師合わせて18人が予診票を提出し、ファイザーのワクチンの接種を受けていました。

厚生労働省によりますと、今月は2回目の接種から原則8か月以上たった医療従事者104万人が接種の対象となります。

来月には、さらに医療従事者200万人に加え、高齢者や64歳以下の人など合わせて103万人も対象になる見込みで、来年3月からは、企業や大学などで行う職域接種も始まる予定です。

2回目の接種から8か月になる前に、接種券が郵送で届くことになっていますが、自治体の発送が遅れた場合などは、例外的に接種を受けられるということです。

接種を受けた看護師の女性は、「副反応がどう出るかは分かりませんが、3回目の接種で第6波に備えられると思っています。人々の活動が増えているので、備えは大事だと思います」と話していました。

新木一弘院長は、「大変ほっとしている。職員だけでなく、患者や家族に安心して受診していただくための重要な1歩が始まった。オミクロン株に対する有効性は、これから知見が集積していくと思うが、デルタ株などには、一定程度有効だと言われているので、3回目の接種は大変重要だ」と話していました。

松野官房長官「予定どおり本日から開始」

松野官房長官は午前の記者会見で、「新型コロナワクチンの3回目の接種は、予定していたとおり、本日から開始する。オミクロン株についてはワクチンや治療薬にどのような影響があるか、専門家や製薬企業の間で引き続き検証している。政府としては自治体と緊密に連携しながら、まずは追加接種に万全を期していく」と述べました。

また松野官房長官は、2回目から3回目までの接種間隔を短縮するかどうかについて、「現時点の情報をもとに、8か月を待たずして接種を行う範囲を拡大するという判断を行うことはできないと考えている」と述べました。

3回目接種 対象と時期は

厚生労働省によりますと、3回目接種の対象となるのは2回目の接種から原則8か月以上たった人で、接種の時期になると自治体から接種券が届きます。

▽12月は医療従事者だけで104万人が対象です。

▽来年1月に新たに対象となるのは、医療従事者200万人と、65歳以上の高齢者61万人、それに2回目までを早期に接種した64歳以下の人、42万人も対象になります。

▽来年2月には、医療従事者183万人と高齢者1160万人、64歳以下の73万人、

▽来年3月には医療従事者89万人、高齢者1624万人、64歳以下の435万人に加え、企業や大学などで行う「職域接種」の168万人も対象になります。

▽来年4月には、高齢者が313万人、64歳以下が1194万人、職域接種が500万人、

▽来年5月には高齢者が58万人、64歳以下が1462万人、職域接種が155万人、

▽来年6月には高齢者が35万人、64歳以下が1273万人、職域接種で248万人が新たに対象となります。

厚生労働省は少なくとも来年9月までは3回目の接種を続けるとしています。

「交互接種」認めた背景は

3回目の接種では、2回目までとは異なるメーカーのワクチンを接種する「交互接種」も行われます。

その大きな理由は、2回目までファイザーのワクチンを接種した全員が、3回目もファイザーで受けられる量をすぐに確保できる見通しが立っていないことです。

厚生労働省によりますと、
▽12月と来年1月に接種の対象となるおよそ400万人分はすでにファイザーのワクチンを確保しています。

しかし、
▽2月と3月に対象となる人はおよそ3400万人に急増するのに対し、現時点で国が用意できるのは2000万人分にとどまる見通しです。

このため、厚生労働省は、安全性や有効性を検証したうえで、今後、モデルナのワクチンが承認されれば、ファイザーからモデルナに切り替えることを認めました。

一方、自治体からは、交互接種を認めても、ファイザーを希望する住民が多ければ、ワクチンが不足するのではないかと懸念する声が出ています。

厚生労働省は「2回目の接種から8か月のタイミングで希望者全員にファイザーのワクチンを打てるかは分からない。その場合はモデルナのワクチンを接種することを検討してほしい」としています。