オミクロン株 国内初確認 政府 水際対策と監視体制強化へ

新型コロナの新たな変異ウイルスの感染者が日本国内で初めて確認されたことを受け、政府は、水際対策と国内の監視体制をさらに強化する方針です。また、1日から始まる3回目のワクチン接種を着実に進めるとともに、接種効果の分析を進めることにしています。

アフリカ南部のナミビアから先月28日に入国した30代の外交官の男性が、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していたことが30日、日本国内で初めて確認されました。

これを受けて岸田総理大臣は後藤厚生労働大臣ら関係閣僚と対応を協議し、水際対策と国内での感染予防に全力を挙げるよう指示しました。

政府は、世界のすべての国や地域を対象に外国人の新規入国を原則停止するなど先に強化した水際対策を徹底し、国内への変異ウイルスの流入を防ぎたい考えで、一日当たりの入国者数の上限を今の3500人程度から引き下げることも検討しています。

また、国内の監視体制を強化し、空港などでの検疫で陽性になったすべての検体のゲノム解析を実施するとともに、より早期に変異株を検出できる「変異株PCR検査」の準備を急いでいます。

一方、政府は、感染の第6波に備えて、1日からワクチンの3回目の接種を始めることにしていて、自治体と緊密に連携して接種を着実に進める方針です。

政府は「オミクロン株」に対するワクチンの効果について、疫学的な情報を収集して分析を進め、必要に応じて2回目の接種との間隔を原則8か月以上とした方針を見直すことも検討するなど柔軟に対応していく考えです。

同乗の70人に自宅などで待機求める 厚生労働省

厚生労働省によりますと、「オミクロン株」に感染していたことが確認された男性はナミビア国籍の外交官で、ことし7月までにモデルナのワクチンを2回、接種していたということです。

男性は発熱を訴えて現在は医療機関に入院しています。

同じ飛行機で入国した家族2人を含む乗客70人はいずれも検査で陰性でしたが、厚生労働省は濃厚接触者としてすでに全員の所在を把握し、入国後14日間は自宅や宿泊施設で待機するよう求めています。

また、自治体と協力して2日ごとに検査を受けるよう求めたうえで健康状態を観察し、連絡が取れなくなった場合は自宅を訪問するなど感染拡大を防ぐ体制を強化しています。

さらに全国の自治体に対し今後、確認された新型コロナの感染者にはできる限り検体の遺伝子解析を行いオミクロン株かどうか確認するよう求めるとともに、新たな検査手法の開発も進めています。

松野官房長官「70人 健康状態に問題の報告ない」

松野官房長官は1日午前の記者会見で「濃厚接触者70人は、アプリなどにより全員の健康状態、位置情報などを把握しているほか、保健所による接触を開始している。このうち、施設で待機している1人は、昨日、症状があるとの連絡を受け、昨日中に検査を実施し、陰性を確認している。その他の方々は現時点で、健康状態に問題があるという報告はない」と述べました。