来年の春闘 経団連の原案 “賃上げに前向きな方針”

来年の春闘に向けた経営側の指針となる経団連の基本方針の原案が明らかになりました。岸田総理大臣が経済界に対して賃金の引き上げに協力を求める中、「ベースアップの実施を含めた新しい資本主義の起動にふさわしい賃金引き上げが望まれる」として、賃上げに前向きな方針を示す見通しとなりました。

来年の春闘に向けては、岸田総理大臣が「業績がコロナ前の水準を回復した企業は3%を超える賃上げを期待する」と述べ、経済界に対して賃上げに協力を求めていましたが、こうした中で来年の春闘に向けた経団連の基本方針の原案が明らかになりました。

それによりますと来年の春闘に向けては、コロナ禍が長期化し業績のばらつきが拡大する中、一律的な検討でなく各社の実情に適した賃金決定を行うことが重要だとしています。

その一方で、収益が拡大している企業の基本給については「ベースアップの実施を含めた新しい資本主義の起動にふさわしい賃金引き上げが望まれる」とした上で、賃金引き上げの勢いを維持していくことが重要だと打ち出しています。

またボーナスや一時金については「社員の成果などを適切に評価し、支給内容に反映することが望ましい」としているほか、諸手当もコロナ禍でテレワークの導入が拡大していることを踏まえ、「必要に応じて見直しを検討する」としています。

経団連のことしの春闘の方針では感染拡大が続く中、ベースアップについては「選択肢だ」という表現にとどまっていましたが、今回は賃上げに前向きな方針を示す見通しとなりました。