【詳しく】ワクチン3回目接種 第6波に備えて1日から接種開始

新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種が12月1日から、医療従事者を対象に始まります。

1日から接種が行われるのは全国の医療従事者で、厚生労働省によりますと12月は2回目の接種から8か月以上がたった104万人が対象となります。

来年1月には、さらに医療従事者、200万人に加え、65歳以上の高齢者の接種も始まる見通しで、1月中は61万人が対象になると見込まれています。さらに早い自治体では64歳以下の一般の人への接種も始まる予定で、2回目の接種から8か月にあわせて順次、接種券が郵送されることになっています。

自治体によっては接種券の発送が遅れる場合もあるため、8か月たって手元に届かない場合でも例外的に接種を認めるということです。

接種は当面、自治体の接種会場での集団接種か、医療機関での個別接種で行われ、国は全国におよそ410万回分のワクチンを配送するなど準備を進めています。

さらに来年3月からは企業や大学などで行う職域接種も始まる予定で、12月13日から実施の受け付けが始まることになっています。

有効性は?

3回目のワクチン接種の有効性はどこまであるのか。

イスラエルで行われた大規模調査では、3回目の接種から7日以上たった人は、2回目の接種から5か月以上たった人に比べて、死亡するリスクが81%、入院するリスクが93%、重症化するリスクが92%、それぞれ低下したと報告されています。

副反応は?

3回目のワクチン接種の副反応についてはファイザーの報告によりますと海外の治験では3回目の接種後と2回目の接種後は同じ程度だったとしています。

2回目の接種を受けた16歳から55歳と、3回目の接種を受けた18歳から55歳のグループで、それぞれ接種後7日以内の症状を分析した結果、頭痛が確認された人は、2回目の54%に対して3回目が48.4%、筋肉痛は2回目の39.3%に対して3回目は39.1%、38度以上の発熱は2回目の16.4%に対して3回目は8.7%だったということです。

異なるメーカーのワクチンも接種可能に

3回目の接種では2回目までと異なるメーカーのワクチンを使用する「交互接種」も行われます。現時点で3回目の接種への使用が承認されているのはファイザーのワクチンしかないためです。

1回目と2回目でモデルナのワクチンを接種した人はファイザーに切り替えるか、モデルナのワクチンの3回目の接種が承認されるのを待つか、選択することになります。

ファイザーとモデルナのワクチンは、同じ「mRNAワクチン」と呼ばれるタイプのワクチンで、厚生労働省によりますと、アメリカやドイツでも3回目の接種でもう一方のワクチンに切り替えることが認められています。

また、アメリカで行われた研究では、3回とも同じ「mRNAワクチン」を接種した人と、3回目で別のメーカーのワクチンを接種した人を調べた結果、副反応は同様だったと報告されているということです。

堀内ワクチン相「オミクロン株で状況に大きな変化はない」

堀内ワクチン接種担当大臣は記者会見で「政府としても、引き続き、追加接種に関係する情報を発信するとともに、自治体や医療関係者の皆さんと連携し、希望するすべての方が、追加接種を受けられるよう万全を期していきたい」と述べました。

また、南アフリカで確認された新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染拡大の影響について「現時点で、オミクロン株へのワクチンの効果などは専門家による検証が進められており、追加接種にかかる状況に大きな変化はない」と述べ、予定どおり接種を進めていくと強調しました。