企業の人権への取り組み初調査 2割余りが「未対応」 経産省

強制労働などへの国際的な批判が高まる中、経済産業省が人権に関する企業の取り組み状況を初めて調べたところ、2割余りの企業が人権に関する方針の策定と具体的な調査・対策をいずれも行っていないことがわかりました。

世界有数の綿の産地である中国の新疆ウイグル自治区で、強制労働により綿製品が生産されているとの疑いが指摘されて国際的な批判が高まり、現地で生産された綿製品の使用中止を決める企業が出ています。

こうした中、経済産業省は、ことし9月上旬から10月中旬までの間、東証1部と2部の上場企業などおよそ2800社を対象に、強制労働などの人権に関する取り組み状況を初めて調査し、全体の27.3%にあたる760社から回答がありました。

それによりますと、製品の製造過程や部品などの供給網=サプライチェーンにおいて、人権に関する方針を策定している企業がおよそ7割(523社)、具体的な調査や対策を実施している企業が5割余り(392社)を占めました。
一方で、人権に関する方針の策定と具体的な調査・対策のいずれも行っていない企業が2割余り(160社)にのぼり、具体的な取り組みの方法がわからないといった声や、政府によるガイドラインの策定を求める意見が多く寄せられたということです。

経済産業省は、全体としては取り組みが不十分だとして、調査結果をもとに今後、具体的な支援策などを検討することにしています。

萩生田経産相「日本企業はまだ改善の余地がある」

経済産業省が初めて行った人権に関する企業の取り組み状況の調査について、萩生田経済産業大臣は30日の閣議のあとの記者会見で「売り上げ規模が大きい企業などは、人権に関する取り組みの実施率が高い傾向にあるが、全体として日本企業はまだ改善の余地があることが明らかになった」と述べました。

そのうえで萩生田大臣は「調査結果は、政府としての今後の政策対応を検討するうえで貴重な材料だ」として、取り組みが進んでいない企業への周知啓発など、政府として今後どのような措置が必要か、関係省庁と議論しながら取り組んでいく考えを示しました。