オミクロン株 G7が緊急の保健相会合 連携し対応などの共同声明

南アフリカで確認された新型コロナの新たな変異ウイルスの感染がヨーロッパなどで広がる中、G7=主要7か国は日本時間の29日夜、緊急の保健相会合を開きました。そして、今後も連携して対応にあたることなどを盛り込んだ共同声明を取りまとめました。

南アフリカで確認された新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」の感染が、アフリカ南部に限らず、世界各地で広がる中、G7=主要7か国は、日本時間の29日午後9時半から緊急の保健相会合をオンラインで開催しました。

後藤厚生労働大臣は、これまでに日本国内ではオミクロン株の感染は確認されていないものの、水際対策とともにウイルスのゲノム解析の実施を強化しながら、監視を行っていることを説明しました。

そして会合では、WHO=世界保健機関などの国際機関とも協力して今後もG7各国で連携して対応にあたることや、研究開発を促進していくこと、それに、12月に再び保健相会合を開催することなどを盛り込んだ共同声明を取りまとめました。
このあと後藤大臣は記者団に「新しい変異株の強度や感染力、ワクチンや治療薬の効果も含めてまだまだ分からないことが多いが、G7各国が情報を共有しながら対応していくことは大きな意味がある」と述べました。

G7議長国イギリスが共同声明

G7が29日にオンラインで開催した緊急の保健相会合で、議長国イギリスが共同声明を発表しました。

それによりますと、G7は今後数週間、WHO=世界保健機関などの国際機関や各国と緊密に連携し、情報を共有しながら対応にあたるとしています。

また、引き続きワクチンへのアクセスを確保することが重要だとしたうえで、各国のワクチン接種体制や研究開発を支援するとしています。

そして12月、再び保健相会合を開催し、改めて対応を協議する方針です。

イギリスのジャビド保健相は「南アフリカは新たな変異ウイルスを特定し、迅速に情報を共有した」などと称賛し、変異ウイルスへの対応では、各国が調査結果を迅速に国際社会と共有することが重要だと強調しました。

南アフリカ保健相「渡航制限に失望している」

南アフリカのパーラ保健相は29日、WHO=世界保健機関の年次総会の特別会合にオンラインで出席し、オミクロン株について「まだ多くのことがわかっていない」としたうえで、複数の国がアフリカ南部からの入国を制限する措置を始めたことについて「失望している」と述べ、いらだちをあらわにしました。

そして「オミクロン株が確認されたほかの国からの渡航は制限しないのに、アフリカ南部からの渡航だけを制限するのは差別的だ」と述べ、各国に対して直ちに渡航制限を解除するよう求めました。