「オミクロン株」日本でも “懸念される変異株” に位置づけ

WHO=世界保健機関が「VOC=懸念される変異株」に指定した新型コロナウイルスの新しい変異ウイルス「オミクロン株」について、国立感染症研究所は、国内でも「VOC」に位置づけ、監視体制を強化しています。

南アフリカで確認された新たな変異ウイルスについて、WHOは今月26日、「VOC」に指定し「オミクロン株」と名付けました。

日本では、今月27日現在、感染者は見つかっていませんが、国立感染症研究所では、ウイルスについての海外の情報などから国内でも「VOC」に位置づけたということです。

国立感染症研究所によりますと、オミクロン株はウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」という突起のような部分に、これまでの変異ウイルスの中で最も多い30か所の変異が見つかっていて、このほかにも遺伝子の一部が欠損するなどしているということです。

「スパイクたんぱく質」は、ヒトの細胞に入り込む際に最初に結合する部分で、ワクチンによる抗体が目印としています。

このため国立感染症研究所では、これまでよりも感染力が高まることや、ワクチンの効果の著しい低下、それに再感染のリスクの増加などが強く懸念されるとしています。

ただ、今のところ実験データなどがなく、疫学的な情報も十分ではないため、年代別の感染性への影響や症状の重篤度、実際の社会でのワクチンの効果への影響などについて注視していく必要があるとしました。

そのうえで、個人の基本的な感染予防策として、従来と同様に3密を避けることや特に会話の際にマスクを着用すること、それに手洗いなどの徹底が推奨されるとしています。