みずほ 金融庁が業務改善命令 グループ社長など辞任を発表

金融庁は26日、相次ぐシステム障害をめぐり、みずほフィナンシャルグループと傘下のみずほ銀行に経営責任の明確化などを求める業務改善命令を出しました。
企業統治のうえで経営陣に問題が認められると厳しく指摘し、みずほはグループの坂井辰史社長と銀行の藤原弘治頭取などが責任をとって辞任することを発表しました。

「自浄作用機能しているとは認められず」など厳しい指摘

命令によりますと、ことし2月から9月にかけて合わせて8回のシステム障害が相次いだことについて、社会インフラを担う金融機関としての役割を十分に果たせなかっただけでなく、日本の決済システムに対する信頼性を損ねたとし、経営陣の責任は重大だとしています。

障害が相次いだ背景について、システムに関するリスクや現場の実態を軽視し、保守や運用に必要な人員を配置転換したり、費用を削減したりして、運営態勢を弱体化させたと指摘しています。

さらに企業統治の問題点として、経営トップが、危機管理を含む高度な専門性が求められるCIO=最高情報責任者の人選や求められる人材像などについて明確に示していなかったことや、取締役会が主要な経営陣の候補者の人材像について、十分に議論していないことなどを挙げています。

また過去からシステム障害が相次ぐなど、自浄作用が機能しているとは認められないと厳しく指摘しています。

そして、みずほに対し、これまでの対策の見直しを行ったうえで、必要な措置を盛り込んだ再発防止策を速やかに実行するとともに、経営責任を明確にするよう求めています。

そのうえで具体的な業務改善計画を、来年1月17日までに提出するよう求めています。

システム障害をめぐり、みずほが業務改善命令を受けるのは、2002年と2011年、ことし9月に続き、4度目となります。

これを受けてみずほでは、こうした事態の責任をとって、グループを束ねる持ち株会社の坂井辰史社長と銀行の藤原弘治頭取が来年4月1日づけで辞任すると発表しました。

みずほでは26日夜、会見を開いて、責任の所在や信頼回復に向けた取り組みなどについて説明する方針です。

計8回のシステム障害とは

みずほ銀行は、ことし2月から9月末の間にシステム障害を合わせて8回起こしています。

中でもことし2月28日から3月12日までの間には、2週間足らずで障害が立て続けに発生しました。

このうち1回目は、定期預金口座のデータを移行する作業中に障害が発生し、全国にあるみずほ銀行のATMの80%が利用できなくなりました。

この影響で、ATMからキャッシュカードや通帳を取り出せないトラブルが5200件余り起き、店舗などで長時間待たされた人も相次ぎました。

その後、3月3日には、東京や大阪などで一部のATMが使えなくなったほか、7日にも、インターネットバンキングで定期預金の預け入れが一時できなくなりました。

さらに3月12日、およそ500億円に上る外貨建ての送金処理に遅れが出ました。

その後、8月19日には、みずほ銀行とみずほ信託銀行で営業開始の午前9時から全国の店舗で窓口での振り込みや入金などの取り引きができない状態になりました。

翌日の20日に、坂井社長が記者会見を開き、改めて再発防止に取り組む考えを示しましたが、8月23日にはATM130台の利用が一時できなくなりました。

9月に入ってもシステム障害は相次ぎ、8日には一部のATMやネットバンキングが利用できなくなったほか、30日には外国為替取引で、380件余りの送金に遅れが出ました。

金融庁は、9月22日にみずほに対し、再発防止に重点を置いてシステム改修の方針の見直しなどを求める業務改善命令を出していました。

過去にも「システム障害」と「業務改善命令」

みずほフィナンシャルグループでは、これまでも業務改善命令を受ける大規模なシステム障害がたびたび発生しています。

2002年の4月、第一勧業銀行と富士銀行、それに日本興業銀行の3つの銀行を2つに再編した営業の初日に、みずほ銀行でATMが停止したり、口座振替の処理ができなくなったりするトラブルが発生し、250万件に上る振り込みが遅れるなどの影響が出ました。

また、東日本大震災が発生した直後の2011年の3月には、みずほ銀行で大量の義援金の振り込みに処理が追いつかず、ATMが使えなくなったり、給与の振り込みが滞ったりするなど、1週間余りにわたってトラブルが続きました。

こうした事態を受けて、みずほでは再発防止に向けて再編前の銀行ごとに別々になっていた「基幹システム」を統合することを決め、巨額の投資を行って、おととしには新しいシステムへの全面的な移行が完了しました。

しかし、その後も障害が相次ぎ、ことしは2月から9月にかけて、合わせて8回発生しています。

原因を究明するために設置された第三者委員会がことし6月にまとめた報告書では、障害に共通する原因として、危機に対応する組織力の弱さや、ITシステムの統制力の弱さ、それに顧客目線の弱さがあり、根底にはこうした原因が容易には改善されない企業風土があると厳しく指摘されていました。