インドネシア 感染再拡大防止で年末年始の有給休暇取得禁止へ

インドネシア政府は、新型コロナウイルスの感染の再拡大を防ぐためとして、年末年始に公務員や企業の従業員らが有給休暇を取得することを禁止する方針を明らかにしました。旅行や帰省に伴う人の移動を減らすねらいですが、国民からは反発の声が上がっています。

インドネシアでは一日当たりの新規感染者が、25日は372人と、5万人を超えたことし7月のピーク時に比べると大幅に減っていますが、政府は、年末年始に旅行や帰省で人の移動が増えれば感染が再拡大するおそれがあると警戒を強めています。

このため、12月24日から来年1月2日まで、全国で多くの人が集まるイベントを禁止するなど規制の強化に踏み切るとともに、この期間に公務員や民間企業の従業員らが有給休暇を取得するのを禁止する方針を明らかにしました。

インドネシアは、12月1日からG20=主要20か国の議長国になることから、感染が再び拡大して一連の会議に影響が出る事態を避けたい事情もあるとみられ、ジョコ大統領は国民に理解を求めています。

実際の運用は州政府などに委ねられるため、どの程度強制力があるのかは分かりませんが、SNSには「休暇の取得は権利だ」とか「常に働かなければならないのか」といった書き込みが相次ぎ、国民の反発が強まっています。