新型コロナ感染者数 去年の夏以降で最少水準 減少傾向続く

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国の感染者数は減少傾向が続き、去年の夏以降で最も少ない水準となっています。

NHKは、各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について、前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、ことし8月末から新規感染者数が減少し、
▼10月28日までの1週間では前の週に比べて0.67倍、
▼11月4日は0.80倍、
▼11月11日は0.89倍、
▼11月18日は0.84倍、
▼11月25日まででは0.67倍と、
13週連続で減少傾向が続いています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ104人と、去年の夏以降で最も少ない水準となっています。
また、地域別では、40の都道府県で新規感染者数が減少傾向となっています。

東京・神奈川・埼玉・千葉

東京都は、11月初めまで11週連続で減少傾向が続き、流行の第5波のピークから大幅に感染者数が減少しました。
11月11日までの1週間は前の週の1.33倍と増加傾向が見られましたが、その後、11月18日は0.77倍、11月25日まででは0.78倍と減少傾向となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ15人、直近1週間の人口10万当たりの感染者数は0.77人となっています。

神奈川県は、11月初めまで10週連続で減少したあと、11月11日までの1週間は前の週の1.21倍、11月18日は1.37倍と、2週続けて増加傾向でしたが、11月25日まででは0.79倍と再び減少傾向になっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ13人となっています。

埼玉県も、11月初めまで11週連続で減少したあと、11月11日までの1週間は前の週の1.00倍、11月18日は1.13倍となっていましたが、11月25日まででは0.65倍と再び減少傾向となりました。
一日当たりの新規感染者数はおよそ6人となっています。

千葉県は、11月11日までの1週間は前の週の0.92倍、11月18日は1.02倍、11月25日まででは0.46倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ3人となっています。

沖縄・北海道

沖縄県は、11月25日までの1週間で、一日当たりの新規感染者数がおよそ1人となっています。
11月11日までの1週間は前の週の0.80倍、11月18日は0.22倍と、13週連続で減少傾向が続いていました。
11月25日まででは1.13倍となったものの、低い水準で推移しています。

北海道は、11月11日までの1週間は前の週の1.16倍、11月18日は2.08倍と、2週連続で増加傾向でしたが、11月25日まででは0.65倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ14人となっています。

大阪・京都・兵庫

大阪府は、11月11日までの1週間は前の週の0.93倍、11月18日は0.58倍、11月25日まででは0.72倍と、12週連続で減少傾向で、一日当たりの新規感染者数はおよそ14人となっています。

京都府は、11月11日までの1週間は前の週の1.17倍、11月18日は1.11倍となっていましたが、11月25日まででは0.44倍で再び減少傾向となっています。
一日当たりの新規感染者数はおよそ2人となっています。

兵庫県は、11月11日までの1週間は前の週の0.79倍、11月18日は0.66倍、11月25日まででは0.58倍と、13週連続で減少傾向で、一日当たりの新規感染者数はおよそ4人となっています。

愛知・岐阜・三重

愛知県は、11月11日までの1週間は前の週の0.78倍、11月18日は0.97倍、11月25日まででは0.66倍となっていて、一日当たりの新規感染者数はおよそ6人となっています。

岐阜県は、11月25日までの1週間で、一日当たりの新規感染者数が1人と低い水準となっています。
11月11日までの1週間は前の週の0.78倍、11月18日は0.21倍、11月25日まででは0.58倍となっています。

三重県は、11月25日までの1週間の新規感染者数の合計が1人と非常に低い水準になっています。
11月11日までの1週間は前の週の0.21倍、11月18日は0.60倍、11月25日まででは0.33倍となっています。

専門家「非常によい状態だが 年末年始は注意を」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「緊急事態宣言が9月末に解除されてから2か月がたつが、まだ全国的な減少傾向が維持されている状況だ。ワクチンの接種率も2回接種した人が76%を超えて、全国の感染者数も低いレベルでずっと維持できており、非常によい状態が続いている」と評価しました。

今後の見通しについては「今は非常に低い感染のレベルが維持されているが、今からますます寒くなるとウイルスが広がりやすくなる季節になってくる。家の中で過ごす時間が長くなり、密もできやすい。さらに12月、1月になってワクチンの効果が弱まってくると、感染の増加を誘導するような要因が重なってくる。人の動きが激しくなる年末から年始にかけて、感染者が増えないように注意することが大事だ」と指摘しました。

そのうえで、舘田教授は「今は感染者がいない地域でも、旅行を含めて人が動き出しているため、都市部から地方に感染が広がる可能性もある。ワクチンも進み、検査もできるようになり、安全に移動できるようになってきているが、まだウイルスが潜んでいる可能性を考えて、密をできるだけ避ける、換気に注意する、できれば少人数で、などの基本的な感染対策は、しばらくの間は徹底していくことが重要だ」と話していました。