新型コロナ感染による労災 保険料率に含めない改正案提案へ

企業が負担する労災保険は労災が多いと保険料率は高くなりますが、新型コロナウイルスの感染による労災が相次いだ企業は負担が増加し影響が懸念されています。厚生労働省は従業員が感染し労災と認定されたケースは保険料率の算定に含めないとした省令の改正案を26日開かれる審議会に提案する方針です。

労災保険は従業員が仕事でけがをしたり病気になったりした時に治療費や休業補償などが給付され企業が保険料を負担しています。労災防止の取り組みを広げるため業種ごとに定められた保険料率を基準に労災が少ない企業は最大で40%低くする一方で多い企業は最大で40%高くする制度が設けられています。

しかし新型コロナウイルスに職場で感染し労災と認められたのは先月末までにおよそ1万6000人に上り、労災が相次いだ企業では保険料の負担が増えるため影響が懸念されています。

厚生労働省は対策を徹底しても感染を防ぐことは難しいとして制度を見直す方針を決めました。

来年度の保険料率は昨年度までの3年間の労災の給付額などをもとに算定されますが従業員が職場で感染し労災と認定されたケースは含めないとします。再来年度以降も同じように対応したいとしていて関連する省令の改正案を26日開かれる審議会に提案する方針です。

厚生労働省は審議会の了承を得たうえで近く省令を改正したいとしています