世界的バイオリニストが都内で演奏会 コロナ影響長期化の中

新型コロナウイルスの影響が長期化する中、世界的に活躍するフランスのバイオリニストが東京都内でコンサートを開き、世界最高峰の音色で観客を魅了しました。

世界的に活躍するフランスのバイオリニスト、ジェラール・プーレさんはおととしにはフランスの芸術文化勲章の最高章「コマンドゥール」を受章するなど、83歳になった今も表現力豊かな演奏で高い評価を受けています。

24日に東京 千代田区で開かれたコンサートでは、フランスの作曲家、ドビュッシーの最後の作品でバイオリニストだったプーレさんの父親が初演を務めた「バイオリンとピアノのためのソナタ」など7曲を演奏しました。

プーレさんは、16年前から日本でも指導者として世界で活躍するバイオリニストを数多く育ててきたほか、東日本大震災の際には支援コンサートに参加し、被災者をバイオリンの音色で激励しました。

新型コロナウイルスの影響で去年からはコンサートの中止が相次いでいたということで、観客はプーレさんの奏でる繊細な音色に聴き入っていました。

観客の50代の女性は「すばらしい演奏で涙が出るほど感動しました。コロナで生の演奏を聞くことができていなかったので、間近で聞くことができ、忘れられない一日になりました」と話していました。

ジェラール・プーレさんは「久しぶりの大きな会場で少し不安もあったが、それは観客がいるからこそ感じられることで幸せなことだと思う。コロナの影響で気持ちが萎える時もあったが、再び演奏できることで自分の命を取り戻したような気持ちであり、その思いを聴いてくれる人に伝えていきたい」と話していました。