東京原油市場 国家備蓄放出決定発表も先物価格値上がり

24日の東京原油市場では、取り引きの中心となる原油の先物価格が大幅に値上がりしました。政府がアメリカと協調して石油の国家備蓄の一部を放出することを決めたと発表しましたが、産油国の反発を警戒し需給が引き締まることへの懸念が広がりました。

東京原油市場で、取り引きの中心となる原油の先物価格の24日の終値は、22日より3230円高い、1キロリットル当たり5万5190円でした。

政府が24日、アメリカと協調して石油の国家備蓄の一部を放出することを決めたと発表しましたが、投資家の間では消費国側の備蓄放出に対してOPEC=石油輸出国機構などの産油国が反発し、北半球が本格的な冬に入る中で需給が引き締まるのではないかという懸念が広がり、大幅な値上がりにつながりました。

市場関係者は「今回の備蓄放出を受けて、一部の産油国から今後の追加の増産について消極的な反応も出ている。需給の緩和につながる材料に乏しいため、原油価格の高止まりは続くのではないか」と話しています。

松野官房長官「市場の安定化に取り組む」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「これまでもアメリカとは国際原油市場の安定に向けて連携をとってきたが、わが国としてもアメリカや関係国と歩調を合わせ、現行の石油備蓄法に反しない形で国家備蓄石油の一部を売却することを決定した。これは従来から行ってきた、油種の入れ替えを前倒しで実施することとしたものだ」と述べました。

また記者団が放出の効果をどの程度期待するか質問したのに対し「原油価格の安定は世界経済の安定に資するものであり、わが国として取りうる措置を一つ一つ講じているところだ」と述べました。

そのうえで、松野官房長官は「引き続き原油価格の高騰が国際的なエネルギー市場の動向や日本経済に及ぼす影響を注視しつつ、産油国に対し増産の働きかけを継続するとともに、主要消費国や関係国際機関との連携を強化し、エネルギー市場の安定化に取り組んでいく」と述べました。

そして「関係省庁で連携しつつ、農業や漁業に対する業種別の対策、ガソリン・灯油の急激な値上がりに対する、激変緩和措置などを着実に講じていく」と述べました。