円相場 1ドル=115円台前半まで値下がり 米長期金利上昇背景に

祝日明けの24日の東京外国為替市場は、アメリカの長期金利の上昇を背景に、ドルを買って円を売る動きが一段と強まり一時、1ドル=115円台前半まで値下がりしました。

午後5時時点の円相場は22日と比べて68銭、円安ドル高の1ドル=114円89銭から91銭でした。

ユーロに対しては、22日と比べて58銭、円安ユーロ高の1ユーロ=129円19銭から23銭でした。

ユーロはドルに対して、1ユーロ=1.1244から46ドルでした。

市場関係者は「FRB=連邦準備制度理事会でパウエル議長の再任が発表され、インフレ懸念により金融政策の引き締めを急ぐとの見方から、アメリカの長期金利が上昇したことで、日米の金利差の拡大が意識されドルを買って円を売る動きが強まった。一時はおよそ4年8か月ぶりの円安水準となる1ドル115円20銭台まで値を下げたが、その後は、輸出企業や投資家が値上がりしたドルを売って円を買い戻す動きも出た」と話しています。

今回の円安 要因は?

円相場は、今年はじめに一時、1ドル=102円台後半となりましたが、その後、値下がり傾向が続き、この2か月だけでおよそ5円、円安が進みました。

背景には、日本とアメリカの間の「金利差の拡大」があります。アメリカでは景気の回復を受けて、中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が今月3日に、新型コロナ対応として続けてきた量的緩和の規模を段階的に縮小する政策転換を決めました。

インフレ=物価上昇の懸念も出ていることもあり、市場では利上げも前倒しされるのではないかとの見方から、ことし9月下旬に1.3%台だったアメリカの長期金利は1.6%に上昇しています。

一方、日本の長期金利は日銀の金融政策によってゼロ%程度に抑えられています。

先行きについても、新型コロナで打撃を受けた経済を下支えするため、日銀は今の大規模な金融緩和を維持する方針を示し、超低金利の状況が続くと見込まれています。

このため、日米の金利差はさらに広がっていくとの見方から、円を売ってより利回りが見込めるドルを買う動きにつながっています。

また、国際的な原油価格が高くなっていることで、日本企業が取り引きするためのドルの需要が増えたことも、円安を加速させる要因となっています。

円安のメリット・デメリット

円安が進むと、輸出を主力としている企業には採算が好転したり、業績が押し上げられるメリットがあります。

例えば自動車メーカーの場合、想定しているレートよりも年間を通じて1円の円安になると、本業のもうけを示す営業利益が数億円から数百億円増える計算になるということです。

一方、デメリットも指摘されています。

円安になると通常、ドルで取り引きしている石油やそのほかの原材料などを輸入する際のコストがかさむことになります。

現在は、国際的な原油価格やLNG=液化天然ガスの価格も高値となっています。

こうした中で進む今の円安は、輸入コストの上昇による企業収益の圧迫や、ガソリンや灯油などの値上がりで家計の圧迫につながるとして、コロナ禍からの経済回復が期待される中で景気の足を引っ張りかねないという懸念も出ています。