iPS由来の細胞に特殊な刺激で運動機能の回復効果が改善 慶大

脊髄が傷ついて足が動かなくなったマウスに、iPS細胞から作り出した神経のもととなる細胞を移植し、この細胞に特殊な方法で刺激を与えると運動機能の回復効果がこれまでよりも高まることを、慶応大学などのグループが突き止めました。

この研究成果は、慶応大学の岡野栄之教授と河合桃太郎助教らのグループが発表しました。

グループでは、iPS細胞から作った神経のもととなる細胞を脊髄を損傷したマウスに移植したあと、特殊な方法で移植した細胞だけに刺激を与えて変化を調べました。

その結果、脊髄を損傷してから2週間後、刺激を与えたマウスでは、神経が活性化すると増える「シナプシン1」というたんぱく質の量が刺激を与えなかったマウスに比べて1.35倍に増えていたということです。

運動機能を評価する数値は、6週間後の時点で、刺激しなかったマウスよりおよそ18%高くなっていました。

グループによりますと、iPS細胞を使うことで脊髄損傷のマウスの運動機能がある程度、回復することは知られていましたが、iPS細胞からできた神経を活性化させることで機能が効率よく回復することを確認できたのは初めてだということです。

岡野教授は「移植した神経細胞の働きが機能回復に直接結び付いていることを明らかにすることができた。研究を展開するうえで非常に重要な一歩だと思う」と話しています。