軽石漂着 “漁に出られない”広がる影響 三宅島の人たちは…

23日、伊豆諸島の三宅島では都の職員が島の西側にある砂浜で5メートルほどにわたって軽石が打ち上げられているのを確認したということです。都はまとまった量の漂着が始まりつつあるとして、港の中に流入しないか警戒を強めています。

“まとまった量の軽石の漂着 始まりつつある”

都の防災対策課によりますと、伊豆諸島・三宅島の西側にある伊ヶ谷漁港近くの砂浜で午後3時すぎ巡回していた職員が、波打ち際に5メートルほどにわたって軽石が打ち上げられているのを確認したということです。

見つかった軽石は大きいもので数センチほどあったということですが、多くは小粒で黒ずんだり灰色がかったりしているということです。

都は島内に5つある漁港すべてに軽石が流入しないように、すでにオイルフェンスを設置していますが、まとまった量の軽石の漂着が始まりつつあるとして港の中に流入することがないか警戒を強めています。

都はこのほか新島、神津島、御蔵島、式根島にも職員を派遣していますが、これまでにまとまった量の軽石の漂着は確認されていないということです。

“客足戻りつつあったのに” 漁業者 影響の長期化懸念

漁港にオイルフェンスを設置しているため船が出せずに漁を休んでいる三宅島の漁業者からは、影響の長期化を懸念する声が聞かれました。

漁師の酒匂信太さんは観光客向けの釣り舟の船頭も務めています。
酒匂さんは
▽日に日に島周辺の海に軽石が増えていると感じていることや
▽専門家によるシミュレーションで軽石による影響が長期化するおそれがあるとされていることから
釣り舟の運航再開が見通せないとして年内に入っていた釣り舟の予約およそ10件をすべてキャンセルしたということです。

酒匂さんは運航できるめどが立ち次第、再度、キャンセルした客に連絡をとって船を出したいとしています。

最近は新型コロナの感染者数が減少し客足も戻りつつあったということで、酒匂さんは「せっかくコロナが落ち着いてきて客足も復活してきたかなと思っていたので最悪です。個人的には年内では収まらず影響が続くことも覚悟している。このあたりの漁師は収入を絶たれてしまいます」と話していました。

商店 ペンションにも影響…

三宅島の商店やペンションでは地物の魚を仕入れられなくなっていて、影響の長期化を懸念する声が聞かれました。

地元の漁協はしけが見込まれていたこともあり、今後も数日間、漁を休むことを決めています。この影響で地物の魚の水揚げはなく、魚を扱う商店や宿にも影響が広がりつつあります。
生鮮食品を扱う商店の「ヤマシタ」ではふだん、店主の山下広範さんが1日に2回、漁港で魚を仕入れ、多い時には三宅島で水揚げされたおよそ20種類の魚を店頭に並べています。しかし今月20日を最後に地物の魚を仕入れられなくなっているということです。

現在は20日までに仕入れた地物の魚を販売していますが、この状態が続けば地物は在庫がなくなり、豊洲から仕入れた魚だけしか販売できなくなるのではないかと懸念しています。

山下さんは「漁ができない状態がいつまで続くのか不安があります。新鮮な地元の魚を楽しみにしている人がいるので早く漁ができるようになってほしい」と話していました。
また三宅島でとれた旬の魚を使った料理を出しているペンション「花海月」の山中裕樹さんは休漁が続き、このまま仕入れができなければ磯釣りをして自分で魚を調達することも検討しているといいます。

山中さんは「旬な三宅島の魚を提供できないと困ります。客足に影響が出なければいいなと思います」と話していました。