韓国 チョン・ドゥファン元大統領死去 クーデターで実権握る

韓国で1980年にクーデターで実権を握りおよそ7年半にわたって経済開発を背景にした強権的な開発独裁型の政治を行ったチョン・ドゥファン(全斗煥)元大統領が23日、自宅で死去しました。90歳でした。

韓国のチョン・ドゥファン元大統領は1979年に当時のパク・チョンヒ(朴正煕)大統領が暗殺されて国内が混乱する中、クーデターで実権を握り翌年、大統領に就任しました。

この間、南西部では民主化を求める学生らを軍が武力で弾圧したいわゆる「光州事件」が起きました。

チョン元大統領はおよそ7年半にわたって開発独裁型の強権政治を行い、経済成長を背景にして1988年のソウルオリンピックの誘致に成功しました。

また外交では1984年に韓国の大統領として初めて日本を公式訪問し、昭和天皇と会見しました。
退任後はクーデターや「光州事件」をめぐって厳しい批判にさらされ、1995年に逮捕されて裁判で無期懲役が確定し、恩赦で釈放されたあとは政治の表舞台から遠ざかっていました。

側近が記者団に明らかにしたところによりますと、チョン元大統領は23日午前9時前、ソウル市内の自宅で倒れているのを家族が見つけ、その後、死亡が確認されたということです。90歳でした。

韓国ではチョン元大統領が率いたクーデターに加わり政権を引き継いだノ・テウ(盧泰愚)元大統領も先月、死去しています。

韓国大統領府「誠意ある謝罪なく遺憾の意」 光州事件について

チョン・ドゥファン元大統領の死去について、韓国大統領府の報道官は哀悼の意を示したうえで「光州事件」に関連して「歴史の真実を明らかにせず誠意ある謝罪がなかったことに遺憾の意を表する」と述べました。そして大統領府として弔問などの対応をとらないという立場を明らかにしました。

韓国でチョン元大統領は強権的な政治で民主化運動を弾圧したとして晩年まで厳しく批判されていて、韓国メディアは先月死去したノ・テウ元大統領とは異なり国葬は執り行われない見通しだと伝えています。