船の温室効果ガス 2050年までに実質ゼロに 国連の機関で議論

国連の専門機関、IMO=国際海事機関の委員会が22日から始まり、日本などが提案した、国際海運に携わる船の温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標について、議論が進められています。

日本など各国は、2050年までに国内の温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を打ち出していますが、貨物の輸出入など国際海運に携わる船の温暖化対策については、22日から始まったIMOの海洋環境保護委員会で議論が進められています。

会議では、日本やアメリカなどから、2050年までに国際海運からの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標が提案されました。

これまでのIMOの目標は、2050年までに2008年に比べて温室効果ガスの排出量を半分に減らすとしていて、実質ゼロの目標は格段に踏み込んだ内容です。

発展途上国を中心に、対策コストがかさむという意見や、現時点では技術的な裏付けがないとして目標に懐疑的な声もあり、5日間の会議で議論を深め加盟国の同意が得られるかが焦点です。

委員会の議長を務める、国土交通省の斎藤英明参与は「国際海運の二酸化炭素の排出量は世界全体の2%以上を占めている事実について各国に改めて理解を求めつつ、積極的な議論を促していきたい」と話していました。

アンモニアや水素など燃料とする船の開発進む

国内の海運や造船の業界でも、船から排出される温室効果ガスを実質的にゼロにすることを目指し、燃やしても二酸化炭素を出さないアンモニアや水素などを燃料とする船の開発が進められています。

海運大手の「日本郵船」や、造船会社「日本シップヤード」、それにエンジンメーカーなど5つの企業と団体でつくるグループが進めているのが、アンモニアに少量のバイオ燃料などを混ぜて燃やすことで、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする船の開発です。

アンモニアを貨物として運搬しながら、それを燃料としても使えるようにする計画で、2026年度の実用化を目指しています。

海外に先駆けてアンモニア燃料船の開発を実現することで、新たな技術の安全ガイドラインや法規制の整備を有利に進めたいねらいもあります。

また、川崎重工業など機械メーカー3社は、水素を燃料とした、さまざまな大きさの船に対応したエンジンや、燃料タンクの開発を進めていて、5年後の完成を目指しています。

政府も、脱炭素時代の海運業や造船業の国際競争力の強化に向けて、これらを含む合わせて4つの事業に対し、10年間で合わせて320億円を支援する計画です。