危険な飛び込み指示し生徒大けが 都立高校教諭に罰金100万円

5年前、都立高校の水泳の授業中に飛び込みを指示し、生徒に大けがをさせたとして、業務上過失傷害の罪に問われた教諭に対し、東京地方裁判所は「危険で不適切な指導を行い、教諭としての過失は相当に重い」として、罰金100万円の判決を言い渡しました。

平成28年、東京 江東区の都立高校で水泳の授業中に、高校3年生の男子生徒が大けがをした事故では、教諭の松崎浩史被告(49)がデッキブラシを越えてプールに飛び込むよう指示し、首のけい髄を損傷する大けがをさせたとして、業務上過失傷害の罪に問われました。

検察は去年、教諭を略式起訴しましたが、裁判所が略式での審理は相当ではないとして、正式な裁判を開くことになり、異例の経過をたどりました。

裁判で教諭は起訴された内容を認め、検察は罰金100万円を求刑した一方、被害者の男性は「罪に向き合ってほしい」として禁錮以上の実刑を望んでいました。

判決で東京地方裁判所の鏡味薫裁判官は「飛び込みの危険性を十分に認識していたにもかかわらず、デッキブラシを差し出す危険で不適切な指導を行い、教諭としての過失は相当に重い。被害者に回復の見込みのないけがを負わせた結果は重大だ」と指摘しました。

そして「停職6か月の処分など社会的制裁を受けている」などとして、教諭に求刑どおり罰金100万円を言い渡しました。

この事故のあと、東京都教育委員会はすべての都立高校で水泳の授業中の飛び込みを禁止したほか、日本水泳連盟も指導者向けのガイドラインを公表するなど対策が強化されました。

事故で重い障害の内川さん「心にも傷」

事故で重い障害を負い、禁錮以上の実刑判決を望んでいた内川起龍さん(23)は「身体にも『キズ』を負わせ、心にも『キズ』を負わせるのか」と弁護士を通じてコメントを出しました。

また、母親の美紀さんは前回の裁判のあと、内川さんが体調を崩して救急車で搬送され、2週間入院したことに触れ「事件から一日たりとも安心して過ごすことはありません。これが現実です。一生続くのです。判決には納得できず、息子も私も家族も次の一歩が進めません」というコメントを出しました。