アメリカ史上最高齢の大統領 バイデン氏 誕生日迎え79歳に

アメリカ史上、最高齢の大統領としてことし1月に就任したバイデン大統領が、20日、誕生日を迎え79歳になりました。就任当初から健康状態に関心が集まる中、前日には健康診断の結果を公表し、大統領の職務を担う上で問題がないとアピールしました。

バイデン大統領はことし1月に78歳で就任し、退任時に77歳だったレーガン元大統領を上回るアメリカ史上、最も高齢の大統領となりました。

バイデン大統領は20日、誕生日を迎え、79歳になりました。

前日に健康診断を受けた大統領は「健康で丈夫であり、大統領としての職務に十分適応できる」とする主治医の見解を発表するとともに、記者団に対し「とてもいい気分だ。58歳の誕生日を祝うのが楽しみだ」とジョークを飛ばす場面もありました。

史上最高齢の大統領であるバイデン大統領の健康状態は就任以来、メディアなどの関心を集めてきました。

大統領としては内政や外交で多くの難問を抱える中、誕生日を前に医師の診断結果を公表することで、大統領の職務を担う上で問題がないとアピールした形です。

検査中 副大統領に一時的に大統領権限を委ねる措置

バイデン大統領は、健康診断の一つとして大腸の内視鏡検査で麻酔を使用していたおよそ1時間半の間、ハリス副大統領に大統領権限を委ねる措置をとりました。

この措置は憲法の規定を適用したもので、ハリス副大統領は一時的に軍の最高司令官として核兵器の使用について最終判断をする権限も委譲されました。

この措置は2002年と2007年に当時のブッシュ大統領が麻酔を使用した内視鏡検査を受けた際にもとられましたが、アメリカメディアは、一時的とはいえハリス副大統領が女性として史上初めて大統領の権限を委譲されたとして大きく伝えています。
バイデン大統領には国内外で課題が山積しています。

物価高

特にこのところの支持率の低下に影響していると言われるのが物価の高騰です。

アメリカでは先月の消費者物価指数が前の年の同じ月と比べて6.2%の上昇と、ほぼ31年ぶりの高い水準を記録し、インフレ圧力が強まっています。

ガソリン価格も7年ぶりの高い水準に値上がりし、車社会のアメリカの市民生活を直撃しています。

求心力

バイデン大統領の求心力の低下を印象づけたのが今月2日に行われたバージニア州知事選挙です。

来年秋の中間選挙に向けた試金石として全米の関心を集め、みずからも応援に駆けつけましたが、当初優勢だった民主党候補が共和党候補に敗れました。

バージニア州は去年の大統領選挙でバイデン大統領が共和党のトランプ氏に10ポイントの差をつけて勝利していただけに、大きな痛手となりました。

政策実行力

さらに、政策の実行力にも、厳しい目が向けられています。

バイデン大統領は日本円にして総額110兆円規模のインフラ投資法案を看板政策として掲げ、今月15日に成立させましたが、最初の提案以降、与党・民主党の一部議員から反対にあうなどしたため、成立まで7か月余りもかかりました。

また、政権がもう1つの看板政策と位置づける育児支援や気候変動対策に200兆円規模を投じる歳出法案も19日、議会下院で可決されたものの、上院では一部の与党議員が「物価上昇を加速させるおそれがある」などと反対し、法案の成立のめどは立っていません。

中国

対外政策でも難しい課題に直面し、目立った成果を上げられずにいます。

「最大の競合国」と位置づける中国の習近平国家主席とは日本時間の16日、初めてのオンラインによる首脳会談を行いました。

両首脳は、対立が先鋭化しないよう、対話を継続することで一致したものの、安全保障上のせめぎ合いが続く台湾や、人権を巡る問題などでは議論は平行線に終わりました。

今後、衝突を避けるためのメカニズムを構築できるかや、通商問題をめぐる対立を緩和できるかは、不透明なままです。

浮上の鍵は

あと1年となった来年11月の中間選挙で、与党・民主党が議会で多数派を維持できなければ、政権運営はさらに厳しくなります。

専門家は、バイデン大統領が支持率を回復するためには、ガソリン価格の高騰を含むインフレや、新型コロナウイルス対策など、国民の暮らしに直結する問題で、目に見える成果をあげることができるかが鍵となると指摘しています。

支持率 低下傾向続く

アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によりますと、19日時点の各種世論調査の平均値でバイデン大統領の政権運営を「支持する」と答えた人は41.3%と、就任以来もっとも低い水準に落ち込んでいます。

一方「支持しない」と答えた人は53.4%となっています。

ことし1月の就任以降、50%台の支持率を維持していたバイデン大統領ですが、8月に入ると支持率の低下が目立ちはじめ、8月下旬には「支持しない」が「支持する」を上回りました。

その後も、現在に至るまで支持率の低下傾向が続いています。

各種世論調査によりますと与党・民主党の支持者の間では依然高い支持率を保っているものの、特定の支持政党を持たない無党派層の間で支持の低下が目立っています。

背景には、アフガニスタンからの軍の撤退をめぐる対応で混乱を招いたことや、看板政策に掲げる大型の歳出法案の議会審議が身内の民主党内の対立で難航していること、それに家計に直結する物価の上昇が続いていることなどがあるとみられています。