米 人種差別抗議デモに発砲で2人死亡 白人男性に無罪評決

アメリカ中西部ウィスコンシン州で、去年、人種差別への抗議デモの最中に銃を発砲して2人を死亡させたとして殺人などの罪に問われた18歳の男性に対し、地元の裁判所の陪審員は19日、無罪の評決を言い渡しました。正当防衛との主張を事実上認めたものですが、現地では抗議活動が起きる可能性があるとして、警戒が高まっています。

ウィスコンシン州のケノーシャで去年8月、黒人男性が警察官に銃で撃たれた事件に抗議し、人種差別の撤廃を求める大規模なデモが行われました。

当時17歳だった白人男性のカイル・リッテンハウスさんは、このデモの最中に銃を発砲して2人を死亡させたとして、殺人などの罪に問われました。

裁判で男性は、デモの参加者から襲われそうになったため発砲したもので、正当防衛だったとして無罪を主張していました。

4日間にわたる審理を終えた陪審員は19日、すべての罪に対して無罪の評決を言い渡しました。

正当防衛との男性の主張を事実上認めたものですが、検察側は上訴できないため、評決は確定しました。

この事件をめぐっては、当時、男性が白人至上主義の思想を持っていたとされることや、12人の陪審員のほとんどが白人だったことなどから、現地では抗議活動が起きる可能性があるとして、周辺の地域に州兵が配備されるなど警戒が高まっています。

バイデン大統領 国民に平静を呼びかける

評決を受けて、バイデン大統領は声明を発表し「この評決は、私を含む多くのアメリカ人に怒りや不安を与えるだろうが、陪審員が話したことを認めなくてはいけない」と述べたうえで「すべての人に、法の支配にのっとって平和的に意見を表明することを求める。暴力や財産の破壊は民主主義にふさわしくない」として、国民に平静を呼びかけました。