雇用調整助成金 特例措置 助成金の上限額を段階的に引き下げへ

雇用調整助成金の特例措置について、厚生労働省は1日当たりの助成金の上限額を来年1月から段階的に引き下げることを決めました。
一方で売り上げが大幅に減少した企業などには現在の特例措置を来年3月末まで継続する方針です。

雇用調整助成金は企業が従業員の雇用を維持した場合に休業手当などの一部が助成される制度で厚生労働省によりますと去年2月から11月12日までの支給額は4兆8000億円余りに上っています。

新型コロナウイルスの影響を受けた企業を対象にした特例措置が続けられ、現在、1日当たりの助成金の上限額は1万3500円に、助成率をいずれも最大で中小企業は90%、大企業は75%に引き上げられています。

このうち、1日当たりの上限額について厚生労働省は来年1月から段階的に引き下げることを決めました。

1月と2月は1万1000円、3月は9000円とします。

一方で直近3か月の平均売り上げがコロナ禍の前までと比べて30%以上減少した企業などには、1日当たりの上限額を1万5000円に、助成率を大企業と中小企業のいずれも最大100%に引き上げる特例措置が行われています。

これについては来年3月末まで継続することにしています。

厚生労働省は「成長分野などへの労働力の移動を妨げないために上限額を段階的に引き下げることを決めた。厳しい経営が続く企業の支援については引き続き進めたい」としています。

企業の業績チェック強化へ

雇用調整助成金を利用する企業に対して厚生労働省は来年1月以降の休業などについて特例措置の対象にあたるとして申請する際には再度、業績の悪化を証明する書類の提出を求めることを決めました。

業績が改善するなどして特例措置の要件を満たさなくなった企業が助成金をそのまま受け取っている可能性もあるとしてチェックを強化するとしています。