コロナ影響 妊婦の3人に1人 うつなどの疑い 近畿大調査

長期化する新型コロナウイルスの影響について、近畿大学のグループが妊娠中の女性を対象に心理的な負担などを調査したところ、3人に1人で「うつ」などが疑われる状態だったと発表しました。調査した研究者は「医療者や行政が積極的に介入して改善する必要がある」と話しています。

この調査は、近畿大学東洋医学研究所のグループが、ことし6月から7月にかけて全国の妊婦1022人を対象に、うつなどの精神状態を調べる国際的な尺度を使い、インターネットを通じて行いました。

その結果、うつや不安障害が疑われた妊婦は全体の37.7%にあたる385人で、3人に1人が心理的な問題を抱えている可能性があることがわかったということです。

グループによりますと、去年9月に横浜市立大学などが行った同様の調査では、うつなどの疑いは13.2%だったということで、今回は、それに比べておよそ3倍になっていたということです。

グループでは、コロナ禍で妊婦向けの講座が休止になるなど妊婦の孤独感が増している可能性があるとしていて、近畿大学東洋医学研究所の武田卓所長は「妊娠中の心理的苦痛は本人だけではなく、おなかの子どもにも影響を及ぼすので、医療者や行政が積極的に介入して改善する必要がある」と話しています。