サンタさんっているの?

サンタさんっているの?
サンタクロースを信じて、プレゼントをわくわくした気持ちで待っていたのは20数年も前。

私(清水)も大人になり、1歳の子どもを持つ親になりました。

街でクリスマスソングを耳にすると、子どもがもう少し成長した時にこんなことを聞かれるのかなぁと思ったりしています。

「サンタさんっているの?」

親の私は何と答えればいいのだろう…。
(ネットワーク報道部 清水阿喜子 藤島新也 小倉真依)

どんな絵本なら喜んでくれるかな

去年の今ごろ、娘が9か月で育休中だった私はスマホを見ていてSNSのある投稿に目がとまりました。

さまざまな困難な状況にある子どもたちにクリスマスプレゼントとして本を贈る「ブックサンタ」という取り組みでした。

当時は新型コロナの影響であまり外出もできず、家にこもって子育てをする中で「自分にもできるかな。やってみたいな」といった気持ちが自然とわいてきました。

思い返してみると、本には特別な思いがありました。
子どものころ、クリスマスや誕生日に親が本をプレゼントしてくれたり週末は図書館に連れて行ってくれたりしました。そのおかげで本が大好きになったのです。

本に夢中になった時間を今の子どもたちにも体験してほしい。

どんな絵本なら喜んでくれるかな。
そんなことを考えながら専用のオンラインサイトで贈る絵本を選びました。

私の場合、選ぶのにかかったのは1時間。
サンタクロースがプレゼントを準備する時の思いが少しわかったような気持ちになりました。

提携する書店でも受け付けていて、ことしの目標は6万冊(6万人)。
目標数に達した場合は最終受付日の12月24日より前倒しして終了するということです。

サンタが家にやってきた!

こうして私たちが選んだ本はサンタクロースたちによって、直接、家に届けられます。
高校生の娘が2人いる会社員の中澤照樹さん(47)もその1人。

コロナ禍でクリスマスプレゼントが子どもたちの手元に届かない家庭もあるのではないかと思っていた時に、ボランティアの募集サイトを見つけたといいます。
中澤さん
「子どもたちのために何かできたらいいなというのと、プレゼントを渡すのって単純に楽しいと思い参加してみることにしたんです」
去年のクリスマス・イブ。

サンタクロースになってプレゼントを届けたのは4歳の男の子がいる家でした。
驚いた様子を見せた男の子。中澤さんは母親から聞いていた情報をもとに、男の子の目を見て、優しく尋ねました。

「マット運動が得意なの?」

「得意だよ」

そう言って、玄関先にマットを持ってきてブリッジや逆立ちを得意げに披露しました。そしてクリスマスプレゼントの絵本を渡すと男の子は満面の笑みを見せてくれたのです。

プレゼントをもらったのは自分でした

中澤さんにサンタクロースになった感想を聞いてみると、やる前とあとで考え方が変わったといいます。
中澤さん
「子どもたちにプレゼントを渡しに行ったのに逆に、自分のほうが男の子からプレゼントをもらったと思いました」

「わずか5分、10分の時間でも、子どもと心を通わせられる経験ってなかなかないですよね。幸せな気持ちになれました」
ことしのクリスマス・イブの予定については「もちろん子どもたちにプレゼントを届けに行く気まんまんです!」

うれしそうに答えてくれました。

サンタクロースを待っている

実際に申し込んだ家庭からは切実な声が寄せられています。

毎年、母と子でクリスマスを過ごし、寂しい思いをさせていたという母親は、去年来てもらったチャリティーサンタのことを子どもが「あれは夢だったのかなぁ」と話すほど楽しい思い出になっていると振り返ります。
「今年も来てくれるかなぁとこどもたちも心待ちにしており、出来る事なら願いをかなえてあげたいと思っています。年に一度のクリスマスをまた一生の思い出、経験としてあげられたら嬉しいです」
兄弟がいない中で働いているため、なかなか遊んであげられないという親からは養育費をもらえなくなり金銭的にも我慢させている娘への思いが届いています。
「思い出と呼べるものをコロナ禍でもあり、作ってあげられず、今は純粋にサンタクロースを信じている娘に良い思い出を残してあげたいと思います」
プレゼントやサンタクロースの訪問を申し込んだ世帯はコロナ禍もあっておととしと比べて約5倍に増えているといいます(11月18日現在)。

いろんなサンタクロースがいます

ほかにもさまざまなサンタクロースがいます。

「サンタラン」はサンタクロース姿でランニングやウォーキングを行い、参加費の一部を使って小児科病棟に入院している子どもたちにプレゼントを贈ります。

12年前から始まったこの活動。
ことしはコロナ禍で実際に集まることができずアプリを使ったバーチャル方式になりました。
参加者は直接、プレゼントを届けることはできませんが、受け取る子どもたちの笑顔を思い浮かべながら思い思いのペースで取り組みます。

エントリー期間は12月18日までです。
また全国の児童養護施設にいる子どもたちにほしいプレゼントを贈るため、現金での寄付を呼びかけている「あしながサンタ」の取り組みもあります。

クリスマスになると施設にはケーキやおもちゃが贈られてくることがあるということですが、食べきれなかったり、子どもの好みではなかったりして、残念ながら廃棄せざるを得ないケースが出ています。

担当者は「子どもたちが望むプレゼントを贈るためにも現金で寄付を頂けると大変ありがたいです」と話しています。

クリスマスまであと少し

取材をしてみるとサンタクロースがいると信じられる環境を子どもたちにつくってあげたいと願い、動いている人がたくさんいることを知りました。

「サンタさんっているの?」

この先、会話ができるようになった娘に聞かれたら

「サンタさんは、いるよ」

そう答えたいと思っています。