みずほFG 坂井社長辞任へ 相次ぐシステム障害で責任明確化

システム障害が相次いでいるみずほフィナンシャルグループに対して、金融庁は改めて業務改善命令を出す方向で最終的な調整をしています。こうした事態を重く見て、みずほグループと、傘下の銀行のトップが経営責任を明確にするため辞任する方向となりました。

関係者によりますと、みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長は、一連のシステム障害の経営責任を明確にするため、再発防止の態勢が整った段階で辞任する意向を固めました。
また、いったんは辞任に向けて調整が進んでいたものの、再発防止策を徹底するため職にとどまっていた傘下のみずほ銀行の藤原弘治頭取も辞任する方向です。

みずほ銀行では、ことし合わせて8回のシステム障害が発生していて、9月には金融庁が再発防止に重点を置いた業務改善命令を出しています。

その後も検査を続けた結果、関係者によりますと、金融庁は管理を含めたみずほの企業統治の在り方に問題があるという見方を強め、改めて経営責任の明確化を求める業務改善命令を出す方向で最終的な調整をしているということです。

また、システム障害の際、法律の定める手続きを守らずに海外への送金を行い、送金先が資金洗浄=いわゆるマネーロンダリングに関係していないかを十分には確認していなかったということです。

一連のシステム障害は、大手金融グループのトップが経営責任をとって辞任する事態に発展しました。

ことし2月から9月末までに8回のシステム障害

みずほ銀行は、ことし2月から9月末までの間に、システム障害を8回起こしています。

なかでもことし2月28日から3月12日までの間には2週間足らずで障害が立て続けに発生しました。

▽このうち1回目は、定期預金口座のデータを移行する作業中に障害が発生し、全国にあるみずほ銀行のATMの80%が利用できなくなりました。

この影響で、ATMからキャッシュカードや通帳を取り出せないトラブルが5200件余り起き、店舗などで長時間待たされた人も相次ぎました。

▽その後、3月3日には、東京や大阪などで一部のATMが使えなくなったほか、▽7日にも、インターネットバンキングで定期預金の預け入れが一時できなくなりました。

▽さらに、3月12日、およそ500億円に上る外貨建ての送金処理に遅れが出ました。

▽その後、8月19日に発生したトラブルでは復旧までに時間がかかり、みずほ銀行とみずほ信託銀行で翌日の営業開始の午前9時から全国の店舗で窓口での振り込みや入金などの取り引きができない状態になりました。

坂井社長が記者会見を開き、改めて再発防止に取り組む考えを示しましたが、▽23日にはATM130台の利用が一時、できなくなりました。

▽9月に入ってからも、8日に一部のATMやネットバンキングが利用できなくなったほか、▽30日には送金などを行う外国為替取引で380件余りの送金に遅れが出ました。

こうした事態を重く見た金融庁は9月22日にみずほに対し、再発防止に重点を置いてシステム改修の方針などの見直しなどを求める業務改善命令を出していました。

松野官房長官 “強い危機意識持って再発防止に万全を”

松野官房長官は、臨時閣議のあとの記者会見で、コメントする立場にないとした上で、「みずほ銀行は、ことし2月から9月にかけて合計8回のシステム障害を発生させており、現在、金融庁がシステム面やガバナンス面の全般的な検証を実施している」と述べました。

そして「今後、どのような行政対応を行うかについてはコメントを差し控えるが、社会の重要なインフラである銀行が安定的に金融サービスの提供を継続していくことは極めて重要なことから、みずほ銀行が強い危機意識を持ってシステム障害の再発防止に万全を期して取り組んでいく必要があると考えている」と述べました。

公明 山口代表 “辞任で済まされず再建努力を”

公明党の山口代表は「代表的なメガバンクの1つであり、利用者の不安を解消していくことが大事だ。金融システムへの信頼性を構築することが重要で、社長の辞任だけでは済まされず、グループ全体として再建に努力してもらいたい」と述べました。