ワクチン接種で“少量や期限切れ” 岐阜市内の医療機関

新型コロナウイルスのワクチン接種で、岐阜市内の医療機関が、60回分を104回に分けて接種したり、有効期限が切れたものを接種したりしていたことがわかりました。

岐阜市は対象者に再接種を行うとともに、この医療機関との委託契約を解除する手続きを進めると発表しました。

岐阜市によりますと、ことし9月、市内の医療機関でワクチンを接種した人の親族から「接種証明のために、医療機関からもらったワクチンの写真を見たところ、有効期限が切れていた」と相談がありました。

市がこの医療機関を調べたところ、ことし5月から先月までに行ったワクチン接種で、60回分を104回に分けて接種していたほか、有効期限が切れたものを21回接種していたことがわかったということです。

市の調査に対して医師は「体調に合わせてワクチンの量を調整した。独自の判断だが変える意思はない」などと説明し、有効期限も把握していなかったということです。

この期間に接種を受けたのは、13歳から93歳までの55人で、これまでのところ健康被害の報告はないものの、少なくとも51人は、抗体が不足していることが確認されたということで、市は再接種を行うことにしています。

岐阜市は、この医療機関との委託契約を解除する手続きを進めることにしていますが「接種を受けた人の特定は完了している」などとして、医療機関の名前を公表していません。