新型コロナ 基本的対処方針の変更案 病床確保へ通常医療制限も

新型コロナ対策をめぐり、政府は、岸田内閣で初めてとなる基本的対処方針の変更案を取りまとめ、今後の感染拡大に対応できるよう病床の確保を進め、医療のひっ迫が見込まれる場合は国の責任でコロナ以外の通常医療を制限し、緊急的な病床を確保するとしています。

政府は、新型コロナウイルスの第6波に備えた対策の全体像や、行動制限緩和の具体策などを取りまとめたことを踏まえ、岸田内閣で初めてとなる基本的対処方針の変更案を取りまとめました。

それによりますと、ことし夏のピーク時より感染力が2倍となった場合でも対応できるよう、医療提供体制の強化やワクチン接種の促進、治療薬の確保を進めて、感染リスクを引き下げながら経済社会活動の継続を可能とする新たな日常の実現を図るとしています。

そして、病床の確保に向けて、ことし夏より3割多いおよそ3万7000人が入院できる体制を今月中に構築するとともに、回復した患者の転院先の確保をさらに進め、高齢者施設での受け入れを促進するなどとしています。

また、今後感染が拡大し、医療のひっ迫が見込まれる場合には、国民にさらなる行動制限を求めるとともに、国の責任で地域の医療機関に協力を要請し、リスクの低い手術の延期などコロナ以外の通常医療を制限することで緊急的な病床を確保すると明記しています。

一方、行動制限の緩和について、大規模イベントを開催する際は、主催者が感染防止の計画を策定した場合は、参加人数の上限を▽緊急事態宣言のもとでは1万人▽まん延防止等重点措置のもとでは2万人としたうえで、ワクチンを接種済みであることや検査で陰性だったことを証明する「ワクチン・検査パッケージ」を活用すれば、収容定員まで認めるなどとしています。

政府は19日開かれる分科会で専門家の意見を聴いたうえで、変更案を正式に決定することにしています。