民族差別の資料繰り返し配布 2審も違法と判断 大阪高裁

東証1部に上場する大阪の住宅会社の社内で、人種や民族を差別することばが書かれた資料が繰り返し配られたと、在日韓国人の女性従業員が訴えた裁判で、2審の大阪高等裁判所は、1審に続いて違法と判断し、会社側に賠償を命じるとともに、資料の配布を禁止しました。

この裁判は6年前、大阪 岸和田市に本社がある住宅会社「フジ住宅」の社内で「中国、韓国の国民性は大嫌いです」とか「韓国人はうそをつく国民性」などと書かれた業務日報などが会長名で繰り返し配られたことに対し、パート従業員の在日韓国人の女性が精神的な苦痛を受けたとして、3300万円の賠償を求めたものです。

1審は去年7月、会社側に110万円の賠償を命じました。
18日の2審の判決で、大阪高等裁判所の清水響裁判長は「在日韓国人や韓国に親和的な見解を示す人などの人格を攻撃するような侮辱的なことばが書かれた資料を大量に配布し、職場で差別的な思想を醸成する行為だ」と述べ、1審に続いて違法と判断しました。

さらに「1審の判決のあとも、原告が裁判を起こしたことを強く批判するような資料を職場で継続的に配布しており、強い疎外感を与えて孤立化させ、訴訟による救済を抑圧している」と指摘し、賠償額を132万円に増やすとともに、差別的なことばが書かれた資料の配布を禁止しました。

判決後に会見した原告の女性は「1審の判決後も会社は変わらず、差別的な資料を配布し続けていました。判決を受け止めて変わってほしい」と話していました。

フジ住宅側「上告し最高裁で改めて主張」

判決について、フジ住宅側は「侮辱的表現や訴訟批判の表現が含まれる文書の差し止めは、過度の言論の萎縮を招くもので、わが国の言論に対して重大な影響を及ぼすと言わざるをえない。判決は到底承服できず、上告して最高裁判所で改めて主張を行う」とコメントしています。