経団連と北陸経済連合会 懇談会で東京一極集中の是正など議論

経団連と北陸経済連合会が地域経済について意見を交わす懇談会が金沢市で開かれ、東京一極集中の是正に向けて新たな産業の創出に加え、デジタル化や脱炭素による地域社会の変革にも連携して取り組むことを確認しました。

金沢市のホテルで開かれた経団連と北陸経済連合会の懇談会には、オンラインも含めて、およそ160人の経営者などが参加しました。

はじめに、経団連の十倉会長があいさつし「ポストコロナを見据えて、持続可能で活力ある社会の実現に向けた取り組みを進めなければならない」と述べたうえで、政府とともに新しい資本主義社会の実現に取り組むと強調しました。

懇談では、東京一極集中の是正などをテーマに議論が行われ、参加者から地方が受け皿となるためには、生産性の向上や働きやすい職場環境整備に取り組むことが重要だとの声が上がりました。

これに対して、経団連側は「コロナ禍による働き方の多様化などで、人の流れが地方へ向かう可能性が高まっている」と指摘したうえで、一極集中の是正に向けて、新たな産業の創出やデジタル化や、脱炭素による地域社会の変革などに連携して取り組むことを確認しました。

また、北陸新幹線について、大阪までの早期の全線開業が必要だという認識で一致し、北陸経済連合会の金井豊会長は「早期の全線開業に向けて、絶大な支援をお願いしたい」と求めました。

十倉会長 “賃上げ税制強化は社会保障含めた議論も大事”

また、来年度の税制改正に向けて賃上げに積極的な企業に対する税額控除を引き上げるなどのいわゆる「賃上げ税制」の強化が議論されることについて、経団連の十倉会長は「税制があったほうが賃上げをしやすいかもしれないが、賃金を上げるだけでなく、それを必要な消費に向けて経済を活性化させる。好循環させないといけない。そのためにはどういう制度があるべきか、社会保障も含めた議論も大事だ」と述べ、経済の成長と分配の好循環を実現させるには、賃上げだけでなく社会保障など政策全般の議論も重要だという認識を示しました。