軽石の流入対策 伊豆諸島の神津島と御蔵島 港にオイルフェンス

東京都は伊豆諸島の神津島と御蔵島で軽石が大量に流れ込むのを防ぐため18日午後、港の入り口にオイルフェンスを設置しました。

都がオイルフェンスを設置したのは神津島の神津島港と御蔵島の御蔵島港です。伊豆諸島で軽石対策としてオイルフェンスが設置されるのはこれが初めてです。

このうち、神津島港は島に2つある漁港のうち西側にある港で、18日午後1時半から地元の業者がおよそ60メートルのオイルフェンスを20分かけて設置しました。

また、御蔵島で唯一の漁港の御蔵島港でもおよそ40メートルが張られました。

東京の伊豆諸島では今月上旬から少量の軽石が見つかりはじめ、これまでに6つの島で確認されています。

今のところ船の航行などに影響は出ていないということですが、都によりますと、JAMSTEC=海洋研究開発機構が公表した最新のシミュレーションの結果、神津島と御蔵島には19日以降、まとまった量の軽石が漂着すると見込まれるということです。

都は港に大量の軽石が流れ込むと撤去に時間や多額の費用が必要になることから、オイルフェンスで大量流入を防ぎたい考えです。

都は、ほかにも漂着が見込まれている新島の1つの漁港で19日、オイルフェンスを設置することにしていて、三宅島の5つの漁港でも自治体や漁協と調整が付き次第、設置する方向で準備を進めています。

また、今後、設置した島では大量の軽石が漂着する場合に備え、ドローンを飛ばして周辺を警戒することにしています。

御蔵島 沖合にまとまった量の軽石確認できず

18日午後3時すぎ、NHKのヘリコプターが撮影した映像では、伊豆諸島の御蔵島にある港の出入り口の岸壁の間に、黄色のオイルフェンスが設置されている様子が分かります。

一方、映像では沖合などにまとまった量の軽石が漂着している様子は確認できませんでした。

神津島では

神津島の神津島港では、午後1時すぎから、軽石が港内に流れ込むのを防ぐためのオイルフェンスを張る作業が行われました。

東京都の職員らが見守る中作業が行われ、およそ1時間で、港内への入り口に、およそ60メートルのオレンジ色のオイルフェンスが設置されました。

フェンスがあると港内への船の出入りはできなくなりますが、ほとんどの船は島の反対側の三浦漁港に移動しているということです。

三宅島では

伊豆諸島の三宅島の西側にある伊ヶ谷地区の砂浜では、18日も打ち寄せられた軽石が確認できました。

軽石は1センチより小さなものから大きいもので2センチ程度で、砂浜のところどころで見られました。

三宅島に住む70代の男性は「軽石が見られるようになって一週間以上経ちます。漁船が軽石を吸い込んでしまうと漁に出られないし、定期船が止まってしまったらいろんな物資が来ないから心配です」と話していました。

オイルフェンスに効果は?

東京都が軽石の大量流入を防ぐため18日、2つの島に設置したオイルフェンスは、本来、タンカーの事故などで海面に油が流出した際に拡散を防ぐものです。

そのオイルフェンスで軽石の流入を防ぐことができるのかどうか。

都の担当者は、大量の流入を防ぎたいとして「できることをやるしかない」と話しています。

都によりますと、今回、オイルフェンスを使うことを決めたきっかけは、沖縄県で軽石の漂着を防ぐために利用したところ有効だったと、国を通じて今月上旬に連絡があったことです。

連絡をうけて都は、所有していたオイルフェンスの数を数えたところ、足りないとみられたことから、新たに購入を進めて準備していたということです。

オイルフェンスは本来、タンカー事故などで海面に油が流出した際に拡散を防ぐものです。

今回、2つの島で設置したオイルフェンスは、海上に浮かぶブイに網目状の幕を水深2メートルほどまで垂らしたものです。

軽石も油と同様、その多くが海面を漂うことから、港への流入を防ぐことができると都は見ています。

ただ、伊豆諸島の周辺はいずれも黒潮によって流れが激しい海域で、都の担当者は「伊豆諸島より潮の流れが緩やかな沖縄と同じ程度に、流入を防ぐことができるかどうかはやってみないとわからない」と話しています。

一方、流れが激しいということは、港への大量流入を阻止できれば、長期間、島の周辺に軽石がとどまることなく、流れ去ってくれるのではないかと都は期待しています。

都の担当者は「誰も軽石の被害なんて想定していないので、オイルフェンスでの対策を聞いたときはなるほどと思った。オイルフェンスが有効に機能してくれれば、その後は、しのげるのではないかと願っている。沖縄とは状況が違うところがあるが、島民の生活を守るためにできることをやるしかない」と話していました。