中国共産党「歴史決議」全文を公表 習主席の9年間の歴史を記述

中国共産党は、先週の重要会議で採択した「歴史決議」の全文を公表しました。党の100年の歴史のうち、習近平国家主席のもとでの9年間を詳細に記述しているのが特徴で、党トップとして異例の3期目入りを目指す習主席の権威をさらに高めるねらいがあるとみられます。

中国共産党は今月11日まで開いた重要会議の「6中全会」でことし党の創立から100年の節目を迎えたことを踏まえ、これまでの成果と歴史を総括する「歴史決議」を採択し16日、全文を公表しました。

国営の新華社通信によりますと全文は3万6000字余りでそのうち半数以上の2万字近くが習近平国家主席のもとでの党の歴史に割かれています。

習主席が党のトップに就任した2012年以降を「新時代」と表現し、業績などを詳細に記述しているのが特徴です。

そのうえで「習近平同志を核心とする党中央を中心として、一層緊密に団結し、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しなければならない」と呼びかけていて、来年秋の共産党大会で党トップとして異例の3期目入りを目指す習主席の権威をさらに高めるねらいがあるとみられます。

このほか決議では中国全土を混乱に陥れた文化大革命について「全く誤った判断」と指摘し、毛沢東の過ちだったとする従来の見解を維持しているほか民主化を求める学生らを軍が武力で鎮圧した1989年の天安門事件については「動乱」と記述しています。

また台湾をめぐっては「台湾独立をもくろむ分裂の行動や外部勢力からの干渉に断固反対し両岸関係の主導権を握った」としたうえで、台湾統一は「党の変わることのない歴史的任務だ」としています。

一方、習主席が汚職撲滅を名目にみずからのライバルを失脚させた政治キャンペーンにも言及し、元重慶市トップの薄煕来氏ら、かつての党幹部を名指しで批判しながら習主席の権力基盤の確立につながった汚職撲滅の取り組みを正当化しています。

「歴史決議」過去最大の長さに

中国共産党が16日に公表した「歴史決議」の全文は、毛沢東と※トウ小平の時代に採択された過去2回の「歴史決議」よりも長くなりました。

最初の決議はおよそ2万8000字、2回目の決議はおよそ3万4000字だったのに対し、今回は3万6000字余りに及びました。これは、400字づめの原稿用紙で90枚以上になります。

今回の決議全文の中で歴代指導者の名前が登場する回数は、
▽習近平国家主席が22回出てくる一方、
▽建国の父、毛沢東は18回
▽※トウ小平は6回
▽江沢民元国家主席と胡錦涛前国家主席が、それぞれ1回で、
習主席の登場回数は、ほかの指導者を大きく上回りました。

また、前回、※トウ小平の時代の「歴史決議」に明記された「個人崇拝禁止」や「集団指導」の文言は、盛り込まれなかったほか、独裁を防ぐために明記された「指導者の事実上の終身制を撤廃する」との文言もなくなっています。

このほか、今回の決議には「党が習近平同志の党中央と全党の核心としての地位を確立することは新時代の党と国家の事業の発展と、中華民族の偉大な復興という歴史的プロセスを進める上で、決定的な意義を持つ」とも明記されていて、習主席の権威を高め、権力の集中を印象づけるねらいがあると見られます。

※トウは「登」におおざと