海底火山の軽石分析「地下深くの玄武岩が上昇し大規模噴火か」

小笠原諸島の海底火山の噴火で吹き出した軽石に、海底の地下深くに存在する「玄武岩」が含まれていたことが、海洋研究開発機構の研究チームの分析で分かりました。
専門家は「地下深くの玄武岩が、火山の直下にあるマグマだまりへ上昇したことで、軽石を大量に噴出するような大規模な爆発的噴火を引き起こした可能性がある」と指摘しています。

ことし8月に小笠原諸島の海底火山、福徳岡ノ場で大規模な噴火で吹き出したとみられる軽石が、先月以降、沖縄 奄美や伊豆諸島の沿岸で相次いで確認されたほか、高知県の沖合でも軽石とみられる漂流物が確認されています。

海洋研究開発機構の田村芳彦上席研究員の研究チームは、気象庁が噴火直後に福徳岡ノ場のおよそ300キロ西北西の海上で採取した軽石を分析しました。

その結果、主に昭和61年の噴火でも確認された「トラカイト」と呼ばれる火山岩でできている一方で、海底よりおよそ30キロから60キロの深さに存在する「玄武岩」が、ごくわずかに含まれていることが分かりました。

通常、海底付近のマグマだまりではみられない成分で、田村上席研究員は、「地下深くにある玄武岩が、何らかの原因で海底付近まで上昇したのではないか」と分析しています。

そのうえで、「海底付近のマグマだまりで玄武岩のマグマが混ざったことで、軽石を大量に噴出するような大規模な爆発的噴火を引き起こした可能性がある」と指摘しています。

研究チームは、さらに分析を進め、今回のように軽石を大量に噴き出す噴火のメカニズムなどについて明らかにしたいとしています。