「日本旅行業協会」会長の会社 社員交通費 現金手渡しに変更か

「日本旅行業協会」の会長が代表取締役を務める東京の旅行会社が「雇用調整助成金」を不正に受給した疑いが出ている問題で、休業扱いのまま出勤している社員の交通費について、会社が記録が残らないよう、精算の方法を口座への振り込みから現金の手渡しに変えていた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。会社は「事実関係を確認中でコメントできない」としています。

「日本旅行業協会」の菊間潤吾会長(69)が代表取締役を務める東京の旅行会社「ワールド航空サービス」は、去年から社員を休ませているように装ううその書類を国に提出し、雇用調整助成金、少なくともおよそ7000万円を不正に受給していた疑いがあることがNHKの取材で明らかになりました。

実際には去年7月ごろから多くの社員が出勤していたということですが、業務にともなう交通費について、会社がシステム上に記録が残らないよう、精算の方法を口座への振り込みから現金の手渡しに変えていた疑いがあることが関係者への取材で分かりました。

もともとは電車の定期券代が半年ごとに振り込まれていましたが、休業扱いになってからは、かかった交通費の明細をそのつど紙に貼り付けて提出し、担当者から直接、現金を受け取るようになったということです。

会社はNHKの取材に対し「事実関係を確認中でコメントできない」としたうえで、第三者委員会による調査結果がまとまりしだい公表したいとしています。

関係者 交通費の扱い「おかしいと思った」

休業扱いのまま出勤していた社員の交通費の扱いについて、関係者がNHKの取材に応じ、実態を証言しました。

関係者によりますと、社員はもともと社内のシステム上で経費精算を行っていて、交通費については、請求に基づいて電車の定期券代が半年ごとに会社からそれぞれの口座に振り込まれていました。

しかし、休業扱いになってからは、上司から会社が用意した共用のICカードなどを使うよう指示され、チャージしたり使ったりした金額の明細をそのつど紙に貼り付けて提出する形になったということです。

精算は振り込みから現金の手渡しに変わり、担当の窓口に出向いて直接、受け取るようになったということです。

この関係者は「現金の手渡しというやり方にはわずらわしさを感じたが、当初は出勤が不定期だったので、定期券を買うと会社の負担が増えるからだろうと考えていた。しかし、毎日出勤するようになった去年7月以降もやり方が変わらなかったのでおかしいと思った。会社側に伝えても『このままでいい』と言われ従っていたが、今思えば休業扱いの社員が出社した痕跡を残さないようにしていたのではないかと思う」と話していました。