ロシア ワクチン接種証明提示の義務化広がる 市民は困惑も

ロシアでは新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、ワクチンの接種を促そうと、各地で接種証明の提示を義務づける動きが広がっていますが、市民の間では日常生活に支障が出るなどと困惑する声が上がっています。

ロシアでは自国製のワクチンへの不信感から、接種を済ませた人の数が伸び悩んでいることもあり、政府の発表によりますと、新たな感染者の数は連日およそ4万人に上るなど感染に歯止めがかかっていません。

このため先月、プーチン大統領がワクチン接種を進める対策を強化するよう各地の知事らに指示したことを受けて、ロシア各地では飲食店や商業施設などを利用する際、接種証明の提示を義務づける動きが広がっています。

このうち、ロシア極東のウラジオストクでは、10日から接種証明として発行されるQRコードの提示を義務づける対象の施設が、飲食店などからホテルや商業施設などにも拡大され、地元政府の担当者たちが巡回し実施状況を確認していました。

これに対して市民の間からは、日常生活に支障が出るなどと困惑する声が上がっていて、28歳の男性は「QRコードがないと何もできなくなる」と話していたほか、衣料品店の店員は「皆がQRコードを持っているわけではありません。冬物の新作が入荷したのに売れ残っています」と話していました。