コロナ感染者数 ことし最少水準続くも東京など下げ止まる傾向

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国の感染者数もことしに入って最も少ない水準が続いていますが、東京都などではやや増加するなど下げ止まる傾向が見られています。

新規感染者数 1週間平均で前週と比較 NHKまとめ

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、ことし8月末から新規感染者数が減少に転じ、
▽先月14日までの1週間では前の週に比べて0.61倍、
▽先月21日は0.62倍、
▽先月28日は0.67倍、
▽今月4日は0.80倍、
▽今月11日まででは0.88倍と11週連続で減少しています。

一日当たりの新規感染者数はおよそ187人と、ことしに入って最も少ない水準となっています。

また、新規感染者数は31の府県で減少傾向が続く一方、東京都や神奈川県などでは低い水準ではあるものの、下げ止まる傾向が見られています。

1都3県

【東京都】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.59倍、
▽今月4日は0.75倍と11週連続で減少していましたが、
▽今月11日まででは1.33倍と増加していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ26人となっています。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は1.29人となっています。

【神奈川県】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.49倍、
▽今月4日は0.72倍と10週連続で減少していましたが、
▽今月11日まででは1.21倍と増加していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ12人となっています。

【埼玉県】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.66倍、
▽今月4日は0.75倍と11週連続で減少していましたが、
▽今月11日まででは1.00倍と横ばいになっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ9人となっています。

【千葉県】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.52倍と9週連続で減少していましたが、
▽今月4日は1.24倍、
▽今月11日まででは0.80倍で、
一日当たりの新規感染者数は7人となっています。

沖縄県 北海道

【沖縄県】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.55倍、
▽今月4日は0.56倍、
▽今月11日まででは0.80倍と12週連続で減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ5人となっています。

直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は2.48人となっています。

【北海道】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.48倍、
▽今月4日は0.92倍、
▽今月11日まででは1.16倍で、
一日当たりの新規感染者数はおよそ10人となっています。

関西

【大阪府】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.77倍、
▽今月4日は0.78倍、
▽今月11日まででは0.93倍と10週連続で減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ35人となっています。

【京都府】
▽先月28日までの1週間は前の週の1.02倍、
▽今月4日は0.60倍、
▽今月11日まででは1.17倍で、
一日当たりの新規感染者数は5人となっています。

【兵庫県】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.98倍、
▽今月4日は0.64倍、
▽今月11日まででは0.80倍と11週連続で減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ12人となっています。

中部

【愛知県】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.96倍、
▽今月4日は0.54倍、
▽今月11日まででは0.78倍と10週連続で減少していて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ10人となっています。

【岐阜県】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.89倍と9週連続で減少したあと、
▽今月4日は1.53倍、
▽今月11日まででは0.78倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数は8人となっています。

【三重県】
▽先月28日までの1週間は前の週の0.79倍と9週連続で減少したあと、
▽今月4日は1.04倍、
▽今月11日まででは0.21倍となっていて、
一日当たりの新規感染者数はおよそ1人となっています。

専門家「東京に下げ止まりの傾向、3回目接種を進めること重要」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について「全国で見ると、減少傾向が依然として維持されている状況が続いている。ただ、特に東京は、感染者数は一日当たり30人前後で非常に低く抑えられているが、2か月半ぶりに増加となるなど下げ止まった状態が見えてきている。この低い感染レベルをいかに長く維持するかが非常に大事になる」と話しています。

そのうえで今後の見通しについて「これから冬にかけて気温が下がって感染が広がりやすくなるほか、忘年会やクリスマス、新年会など、人の動きが激しくなることも考えられる。さらに接種のあと、6か月から8か月たってワクチンの効果が弱まるなど、いろいろな要因が重なってくることを考えると、年末年始にかけて再増加の兆候がみられてくるということを考えておかなければいけない」と指摘しました。

そして、今後の対策については「特に年明けからは先行してワクチン接種を受けた高齢者の抗体価の減少が強く見られるような時期になる。また、これから数か月すると、若い人たちでも接種していても感染する『ブレイクスルー感染』が増えることを考えておかなければならない。飲み薬が出てくると状況が変わる可能性はあるが、ワクチンの効果は証明されているので、3回目の接種をしっかり進めていくことが重要だ」と話しています。