宣言や時短解除 飲食店からは “感染対策の緩み”懸念する声も

緊急事態宣言や飲食店への時短要請が解除され、通常営業を始めた飲食店では一時に比べてにぎわいが戻りつつあります。店の経営者からはにぎわいを歓迎する声が聞かれた一方、会食の席での感染防止対策の緩みを懸念する声も聞かれました。

東京都の時短要請に応じてきた新橋にある居酒屋では、時短要請が解除された先月25日から通常営業を再開し、夜の時間帯の客は新型コロナの感染が拡大する前の7割程度まで戻ってきているということです。

通常営業を再開してからも、店では多くの客が安心して利用できるように引き続きテーブルにアクリル板を設置するなどの感染対策を続けています。

しかし、最近になって夜の時間帯の客の多くが、酒が進むうちにアクリル板を動かしてしまうということです。

店では、他の客が不安を感じないよう元の位置に戻すよう声をかけているということですが「会話する際に邪魔なので不要だ」などとして聞き入れてくれない客もいるということです。

店主の平山徳治さんは「年配の人など感染対策を気にするお客さんがいる一方で、それほど気にしない人もいる。対策を促すと気分を害してしまう人もいるので、本当に難しいかじ取りです。みんなで協力して安心して飲食できるようになればいいと思います」と話していました。
一方、同じく新橋にある焼き鳥店では、客に感染対策への意識を高めてもらおうと、席にあらかじめマスクを置いておく取り組みを行っています。

ほとんどの客は自分でマスクをして来店しますが、マスクを置いておくことで「マスク会食」を改めて意識してもらうねらいがあるということで、一定の効果を感じているということです。

店主の山科昌彦さんは「客どうしでトラブルになる前に感染対策へのご理解とご協力をお願いしています。仕事帰りの楽しい場所をみんなで共有できればと思います」と話していました。