21億円横領の罪 不動産会社前社長の無罪確定へ 検察が控訴断念

土地取引をめぐって21億円を横領したとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴されたのち、先月、1審で無罪判決を受けた不動産会社の前社長について検察は11日、控訴を断念し無罪が確定することになりました。

無罪が確定するのは、大阪に本社がある東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」の社長だった山岸忍さん(58)です。

山岸さんは4年前、大阪の学校法人の高校の土地を実質的に買い取った際、法人の元理事長や会社の部下らと共謀して、21億円を横領したとして、おととし、大阪地検特捜部に逮捕・起訴されました。
山岸さんが一貫して不正への関与を否定したのに対し、特捜部は部下の供述を立証の柱としましたが、1審の大阪地方裁判所は先月28日、部下が取り調べで真実と異なる内容を話した可能性があるなどと捜査の在り方を批判し無罪を言い渡しました。

この判決について、大阪地方検察庁の八澤健三郎次席検事は11日、「関係証拠を精査したが、控訴審によって判決の認定を覆すことは困難であると判断した」として控訴しない方針を明らかにし、山岸さんの無罪が確定することになりました。

この事件で、学校法人の元理事長や会社の部下は有罪判決が確定しています。

前社長「ようやく真相が理解されほっとしている」

山岸さんは、プレサンスコーポレーションの創業者で、関西を中心にマンションの分譲事業などで会社を急成長させましたが、特捜部による逮捕を受け、社長を辞任していました。

検察が控訴せず、無罪が確定することになり、山岸さんは「検察庁にようやく真相を理解してもらえたことに、今はただ、ほっとしている」とコメントしています。

また、主任弁護人の中村和洋弁護士は「本件は客観的証拠に反し、関係者の取り調べ内容についても大きな問題があったので、検察官が控訴を断念することは当然のことと受け止めている。検察官には、山岸さんに対してきちんと謝罪していただきたい」とするコメントを出しました。