西武HD 今年度の業績予想を下方修正 赤字幅が拡大する見通し

私鉄大手の西武ホールディングスは、新型コロナウイルスの影響の長期化で鉄道やホテルの利用客が想定より落ち込んでいるとして、今年度1年間の業績予想を下方修正し、最終的な赤字幅が拡大する見通しとなりました。

西武ホールディングスは、今年度のグループ全体の業績予想について、当初、最終的な損益が50億円の赤字になると見込んでいましたが、予想を下方修正し、140億円の赤字になる見通しだと発表しました。

これは、新型コロナの影響が長期化し、グループの鉄道やホテルなどの事業で当初の想定より売り上げの回復が遅れていることが主な要因です。

昨年度の723億円の最終赤字に続き、2期連続の赤字となる見通しです。

厳しい業績を受けて会社では、東京 港区にあるホテル「ザ・プリンス パークタワー東京」などの保有資産をことし中に売却することを検討してきましたが、交渉を慎重に進めるため、売却を決定する時期を今年度中に先送りするということです。

西武ホールディングスの高橋薫専務は記者会見で「強い経営体質を作るため、資産の売却などのほかデジタル改革も進めたい」と述べました。

首都圏の私鉄大手では、今年度の業績見通しが、京成電鉄、相鉄ホールディングスなどが赤字となる一方、資産売却やコスト削減などの効果で、東急、東武鉄道、小田急電鉄、京王電鉄は黒字を確保する見通しです。